建設コンサルタント会社の元社長が国を訴えていた裁判で、2019年4月10日に元社長の主張を認める逆転判決が出た。訴えの内容は、公益法人との随意契約など国土交通省の施策を批判した結果、同省から圧力を受けて辞任に追い込まれたというものだ。この事件の背景を知るうえで参考となる日経コンストラクション04年7月23日号の記事の一部を改めて公開する。文中の組織名や人名、制度などは当時のまま掲載する。

 国や自治体は公益法人と随意契約することが多い。「行政の視点が必要で競争相手がいない」というのが主な理由だ。国などが競争に向かないと判断する業務は、大きく3つに分けられる。

●公益法人の定義と随意契約できる根拠
(資料:日経コンストラクション)
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 1つは新しい技術基準やマニュアルを作成したり、公共事業の計画を立てたりする業務。2つ目は、維持管理や環境など新しい技術の調査や研究など。自治体の技術支援といった業務も含まれる。残りの1つはこれまでに継続してきた業務で、同一の公益法人と契約するものだ。

 いずれも学識経験者や住民が参加する委員会などを設けることが多い。中立性や公益性が高く、特殊な技術領域なので、国や自治体などは民間企業と契約するのが難しいと考えている。

 国や自治体が公益法人と随意契約することについては、その業務の内容に応じて賛否が異なる。例えば基準などを作成する業務の場合は、公益法人の役割を次のように評価する技術者が、官民を問わず多い。「公益法人がまとめた方が、公正な基準として認めてもらいやすい」。

 他方、それ以外では意見の対立が目立つ。例えば、公共事業の計画を立案する業務。委員会の運営を伴う点が随意契約の主な理由になることがある。「委員会の人選などの際に行政の経験が必要なので、公益法人が適している」と、国や自治体、 公益法人は強調する。

 一方、事業に伴う利害関係が複雑な場合を除き、業務を民間企業に委ねてほしいと考える建設コンサルタント会社は少なくない。「委員会の運営などを、建設コンサルタント会社が担う実例がある。ノウハウや人脈が民間企業に乏しいという意見には納得できない」(ある大手建設コンサルタント会社の課長)。

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