中高生に受け入れられた「たまごっち」

18年は、アプリ以外のプラットフォームでもゲーム配信を開始しましたが、反響は?

はい、HTML5ベースで、アプリをダウンロードすることなく遊べる「LINE QUICK GAME」を始めました。LINEで友だちと気軽に交わす会話の延長のような感覚で楽しめるゲームを提供したいと話し合い、その結果、誕生したものです。

 LINE QUICK GAMEでちょっとしたムーブメントになったのが『LINEで発見!! たまごっち』です。『LINEで発見!! たまごっち』は、「懐かしい」と感じる世代が多いゲーム。私自身が懐かしいと感じる世代なので、同世代を中心にヒットするだろうと思っていました。

 ただ、蓋を開けてみると、一番プレーしている世代は(それよりも若い)中高生でした。ヒットの火付け役はいつも若年層だと感じているので、彼らに受け入れられることが一番。「友だち」のたまごっちをお世話したり、たまごっち同士で結婚したりできる遊びが功を奏し、中高生に受け入れられたことは、本当にうれしい誤算でした。

 想定していたよりも裾野が広く、毎日顔を合わせる友だちと話のネタになるような遊びを届けられたことは大きな成果です。これまでのLINE GAMEのユーザーは、30代以上が占める割合が比較的高かったですが、ずっと若い10代が主に遊んでくれたのですから。

アプリをダウンロードすることなく遊べるLINE QUICK GAMEとして提供した『LINEで発見!! たまごっち』。10代の支持を得たという (C)BANDAI,WiZ

 どんな世代のユーザーであれ大切なことは変わりないのですが、若年層に受け入れられると、流行をけん引してくれる可能性があります。10代の方々が楽しくプレーしてくれるゲームを作ることは、今後も私たちが目指していきたいテーマです。

生活に根差したLINEだからできること

『LINE家計簿』や『LINE MUSIC』など、コミュニケーションアプリやゲームアプリ以外にも、生活に根差したサービスを提供しています。これらとゲーム事業が連携する予定はあるのでしょうか?

サービス間の連携は常に考えています。ただし、同じ会社内でサービスを提供しているというだけの理由で、コラボレーションする必要性は感じていません。大切なのはユーザーに「WOW」(驚き)を与えられるかどうかです。ユーザーに驚きを与えられ、なおかつLINEとしてもしっかりとメリットがある方法やタイミングがあれば、サービス間の連携は進めていきたいですね。

最後に、19年期待のタイトルと注力部分を教えてください。

19年は複数タイトルを準備しています。LINEとシナジーがあると思われるパートナー会社は世界中にありますので、国内にとどまらず、うまく連携しながら事業を展開していきたいです。

 LINEが他社とパートナーになる際の強みの1つは、ランキング表示や友だちとのマルチプレーが簡単になる「フレンドグラフ」を提供できることです。18年から、LINEのパブリッシュタイトルに限らず、他社タイトルにもフレンドグラフを提供し、LINE連携を導入する例もあります。

 フレンドグラフは提供して終わりではなく、そこから副次的にさまざまなメリットを生み出し、ゲームを開発、運営、マーケティングしていく上での新しい価値を作り出せると考えています。また、現時点でまだ詳細をお話しできませんが、フレンドグラフとは別のアプローチでもパートナー企業のゲームに付加価値を生み出せるように尽力していきます。19年は、パブリッシャーという立場や領域にこだわらず、魅力あるゲームをパートナーと共に配信していきたいですね。

奥井麻矢(おくい まや)氏
1987年生まれ。インターネット広告代理店に営業職として新卒入社した後、2011年、NHN Japan(現LINE)に転職。ハンゲームのアライアンス営業業務を経て、LINE GAMEの立ち上げに携わる。プロデューサーとして『LINE ポコパン』など多数のタイトルを手掛け、18年にゲーム事業本部 事業本部長に就任。19年1月に執行役員に就任

(写真/田口 沙織)