顧客から信頼される、しっかりしたSEになる。マネジャーになったら部下を支え、育てる。その心得を示した書籍『SEを極める50の鉄則』(馬場史郎著、日経BP刊)が19年ぶりに復刊した。この特集では、著作のベースとなった連載時代から愛読していたベテランに「SE道」を聞いた。

 「見事なバトンパスによって日本勢がリレー競技で優勝したことがありましたね。あのような連携の力は、我々日本人が仕事をする際の強みだと思います。ただし、一人ひとりが力を付けることも欠かせません。一般論として、集団活動が得意だと過信しているせいか、個々人の能力を伸ばそうとせず、結果として特定のできる人に負荷がかかってしまう例が少なからずあるのではないでしょうか」。

 自動車部品メーカーのベテランエンジニア、鈴木万治氏はこう指摘する。鈴木氏は1986年から機器開発の仕事を始め、その後、CAE(コンピューター支援によるエンジニアリング)、モデルベース開発、故障診断といった全社を横断する技術プロジェクトに関わってきた。

 IT産業界の人ではないが『SEを極める50の鉄則』の愛読者である。19年ぶりに新装版を出すと伝えたところ、鈴木氏から次のような提案があった。

 「内容は全く古びていませんが『今の時代にSEですか』といぶかる人が多いのでは。できればタイトルは更新した方がよいかもしれません。『シン・SEを極める50の鉄則』とか」。

 鈴木氏の提案は採用できなかったが、懸念は理解できた。そもそもSEとは何だろうか。

 『SEを極める50の鉄則』の著者、馬場史郎氏が「SE」になったのは1965年であった。この年、馬場氏は日本IBMに入社し、SE職に就いた。米IBMは1960年からSE職を置き始め、日本IBMは1962年からSE部門を設けていた。このSEは「Systems Engineer」の略である。

 1965年に渡された名刺には「システムエンジニア」と書いてあったそうだが、馬場氏は先輩から「コンピューター、アプリケーション、組織、人など、いろいろなシステムに関わって仕事をする。だからシステムズエンジニアだ」と聞かされ、そういう意味だと受け止めていたという。

 この定義であれば、鈴木氏もSEの一人になる。『SEを極める50の鉄則』は日経 xTECHのIT系の読者にとどまらず、エレキ・製造・自動車系、建設系の読者の方々にも役立つのではないか。

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