顧客から信頼される、しっかりしたSEになる。マネジャーになったら部下を支え、育てる。その心得を示した書籍『SEを極める50の鉄則』(馬場史郎著)が19年ぶりに復刊した。この特集では、ベースとなった連載から愛読していたベテランに「SE道」を聞いた。

 「業務システムを手掛けるSEであれば、どんな手法でもよいからデータモデリングをしよう」。

 NPO法人IT勉強宴会の佐野初夫理事長はこう呼びかける。IT勉強宴会はデータモデリングに基づく業務システム設計の経験を積んできたベテランが集まる勉強会であり、宴会である。若いSEが設計手法を学び、相談できる場を目指している。

 会合は主に大阪で開かれる。事前にテーマを決め、テーマに合った講師を招き、平日であれば午後7時くらいから、週末であれば午後1時くらいから勉強する。午後9時近くになると居酒屋に場所を移して2次会を始め、議論する。さらに有志は河岸を変え、気力と体力が続く限り、飲み続け、話し続ける。1次会は無料、2次会以降は割り勘である。

 会合を始めて1年ほどは佐野氏が自らビールサーバーをレンタルし、おつまみも用意して「乾杯」から1次会を始めていた。これがIT勉強宴会の謂(いわ)れである。

 飲むことにこだわっているのは佐野氏が酒好きだからであろうが、「お酒が入ると質問しやすくなるので初めて参加した人でもすぐに議論の輪に入れる」(佐野氏)という狙いもあった。しかしビールやつまみの事前準備が大変であるし飲食可能な会場を無料で借りるのが難しくなったため、1次会は普通の勉強会に変更した。

 2次会以降は飲み会とはいえ、話題はその日のテーマであり、延々と語り合う。「3次会まで話を続けるとようやく自分が何を知らないかに気付くので議論が相当深まります。午前0時を過ぎてからが本当の勉強会ですね、という参加者もいます」(佐野氏)。

業務システム設計の結果を公開

 IT勉強宴会のWebサイトには独自コンテンツとして、佐野氏が考案した「花束問題」に対し、10人近い設計者が描いたデータモデルが公開されている。モデルだけではなく、開発ツールを使った実装まで公開している設計者もいる。

 Webで販売を始めたところ、受注が増えた割に利益が出ていないことに気付いた花屋のために、効率的に仕入れ、販売できるようにする業務システムのデータモデルを考える。これが花束問題である。

関連サイト:花束問題V1.2

 業務システムを担うSEとして役に立つスキルを身に付けているかどうか、その試金石として佐野氏は花束問題を考えた。

 「実業務よりは単純にしていますが、標準問題としてはそれなりに複雑な業務要件になっています。実際、どこから手を付けてよいか分からない、と言うSEが多い。まだまだ学ぶ必要がある、と気付いてもらえればと思います」。

 プログラムが作れるようになると、一人前になったように感じる若手がいる。だが佐野氏は「それは勘違い。具体的な業務の問題解決を支援するシステムを設計できてこそ一人前。プログラミングは問題解決のためのツールです」と指摘する。

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