本記事は、日経コンピュータ2015年3月5日号の特集「さらば訴訟リスク」を再構成したものです。

システム開発を巡り、大型訴訟が多発している。経営を取り巻く環境が大きく変わり、「水面下での手打ち」が困難になっているからだ。契約書を交わすだけではトラブルを回避できない。訴訟リスクの回避策を改めて見直す時期に来ている。

大手企業同士による最近の訴訟例
トラブルはなぜ起きたのか
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 「こじれて長引く裁判が増えた。昔は互いに譲歩して和解するケースが多かったものだ」。あるベンダーの社長は最近の業界動向を問われ、こう語る。

 何を指しているのかは明白だ。スルガ銀行対日本IBM、野村ホールディングスおよび野村証券対日本IBM、テルモ対アクセンチュア。相次ぎ表ざたになった訴訟合戦を筆頭に、ユーザー企業とベンダーが法廷を舞台に責任を争い合うケースが増えている。

 訴訟に発展するシステム開発トラブルがなぜ後を絶たないのか。ガートナージャパンのリサーチ部門バイスプレジデントを務める松原榮一氏はその理由を「ユーザー企業、ベンダーともに、お互い水面下で手打ちすることが許されなくなりつつあるからだ」と話す。

 ユーザー企業は株主による監視の目が強まるなか、トラブルによる損失の説明責任を求められる。ベンダーも同じだ。これまでは一時的な損失を被ってでも運用・保守で元を取る判断を下すケースもあったが、現状では許されない場合が多い。

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