日ごろから機材やアカウントの所有者を把握しておくことが重要

 業務で使う機材のルールが徹底している組織なら、上記のことを念頭に作業すればいい。パスワード問題がクリアできれば、デジタルならではの障壁を感じることもないだろう。

 問題が複雑になるのは、私物のスマホを使っていたり、会社支給の端末ながら個人名義で登録しているアプリを仕事用に使っていたりするケースだ。この点は次回に解説する。

 いずれにせよ、何も問題が起こっていないうちに、職場のデジタル環境を改めて確認しておくことをお勧めしたい。業務で使っているパソコンやスマホ、オンラインサービスの所有者(契約者)は誰で、社員の私物の併用はどこまで認められているのか。パスワードの確認や処理方法などはどこの部署に確認すればいいのか。それらを頭の片隅に入れておけば、万が一の際に判断の助けになる。

 最後に、社員死亡時に業務が停滞しやすいデジタル環境のチェックポイントを箇条書きしておく。3つ以上該当したら、見直しや改善を考えてみるのがいいかもしれない。

  • 社員が私物のパソコンやスマホを業務に使っている
  • 業務で使う機材のパスワードを会社側で管理していない
  • 社用端末に社員が独自の判断でアプリを入れて仕事に使える
  • 業務で使っているアプリに社員個人の名義のものがある
  • 作業したファイルや業務履歴などを習慣的にチームで同期、共有していない
  • 会社のSNSなどのアカウント情報を担当者以外が把握していない
  • 社用データを保管するクラウド上の拠点がない
古田 雄介(ふるた ゆうすけ)
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。「古田雄介のアキバPick UP!」(ITmedia PC USER)、「インターネット跡を濁さず」(d.365)、「ネットと人生」(インプレス シニアガイド)などを連載。著書に「ここが知りたい! デジタル遺品」(技術評論社)、「故人サイト」(社会評論社)、「死とインターネット」などがある。