「デジタル遺品」や「デジタル終活」という言葉は2017年ごろから急速に広まっているように思う。2018年10月、調査会社のマクロミルが20代以上の全国の男女を対象に実施した「終活に関する調査」(※)では、お墓や相続手続きを差し置いて、興味のある終活の3位にデジタル遺品に関する項目がランクインしていた。存在感が高まっているのは確かなようだ。

マクロミル「終活に関する調査」における、興味のある終活(複数回答)のグラフ。「相続の手続き」や「お墓・納骨先の準備」などより「デジタルデータの生前整理や死後の対処法などの検討」が上位にある。
(出所:マクロミル)
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 このように一般化しているのを肌で感じるが、今はまだ問題の入り口でしかないと思う。数年後のほうが、デジタル遺品を取り巻く環境はよりシビアになっているだろう。

 根拠は3つある。

根拠1・・・高齢者のデジタルツール活用がこれから増える

 スマートフォンやパソコンなどの端末を扱うボリュームゾーンは10代後半から働き盛りの50代あたりとなる。60代以上の使用率も年々高まっているが、総務省の「通信利用動向調査」にある年代別のインターネット利用状況調査を見ると、70代でのネット利用率は2017年時点で5割前後、80歳以上では2割前後にとどまっている。

 また、総務省の「平成30年版 情報通信白書」によると、60代のスマホ所有率は44.6%で、70代は18.8%、80歳以上は6.1%となっている。年々漸増しているが、高齢者の過半数にはまだ達していない。

年齢階層別のインターネット利用状況。総務省が発行した「通信利用動向調査」の2010~2017年版のデータを基に筆者が作成した。
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 現状、自分ごととしての終活を考える世代とデジタル環境はまだ深く重なり合っていない。実際のところ、これまで筆者が対応した相談を振り返っても、故人の年代が分かる範囲でいえば50代以前が大半だった。