根拠3・・・それでも、キャリアやメーカーは故人のスマホが開けない

 根拠1と2の動きから、デジタル遺品の主役は今後も当分はスマホになりそうだ。しかし、故人のスマホのロック問題を解決する体制はまだほとんどできていない。

 消費者の立場で考えると、スマホについてはキャリアショップやメーカーに問い合わせたいところ。しかし第9回で書いた通り、パスワード(パスコード)の解除には応じてもらえない。企業側としては、設定や中身までは責任を負いきれないし、技術的に難しいという事情があり、今後も大きくは変わらないだろう。

 スマホを中心としたデジタル遺品は、問題がより深刻になり数が増えていく。それなら、デジタル遺品サポートを手がける企業が成長してすべて請け負えるようになるかというと、それは難しい。今は、根本的な解決をしてくれる受け皿が見当たらない。

 「デジタル遺品の中身が見られず、遺産や情報に手を付けられない」という悲劇を起こさないようにするには、持ち主が普段から「自分の死後の悲劇」を念頭に置いて、さまざまな対策を打って端末やサービスを使うようにするしかない。

(撮影:古田 雄介)
古田 雄介(ふるた ゆうすけ)
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。「古田雄介のアキバPick UP!」(ITmedia PC USER)、「インターネット跡を濁さず」(d.365)、「ネットと人生」(インプレス シニアガイド)などを連載。著書に「ここが知りたい! デジタル遺品」(技術評論社)、「故人サイト」(社会評論社)、「死とインターネット」などがある。