しかし、今後は高齢世代にも急速にデジタルが身近になっていくはずだ。今の利用者が年を取るよりも速いペースで浸透していくだろう。

 行政や「地域包括支援センター」などがスマホ向けのアプリやネットでの情報発信に積極的に取り組んでいるし、「お薬手帳」も電子版が広まっている。加えて、血圧や脈拍といった日々の健康情報を蓄積する「PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)」アプリが介護医療分野で急速に普及してしている点も大きい。

 健康情報をデータベース化すれば、専門家は異常に気付きやすくなるし、自分でも体調を長期スパンで知ることができる。積極的に使用を推奨している病院や介護施設は全国にある。

根拠2・・・キャッシュレス化でスマホの財布化が進む

 それよりも到来が早くなりそうなのが「スマホの財布化」だ。

 東京五輪に向けて、外国人観光客を呼び込むために都や国がさまざまな施策を実施している。キャッシュレス化も重要な施策の一つだ。紙幣や硬貨を使わずに買い物する仕組みは東アジアや欧州、米国で整備が進んでおり、韓国は全取引の9割近く、カナダや英国でも過半数はキャッシュレスで決済している。

 しかし日本は2015年時点で2割に満たないといわれている。日本経済新聞の記事によると、2018年末に出回っている現金の総額は115兆円で過去最高だったそうだ。そうした中で、日本の街をグローバルスタンダードに近づけようと行政が力を入れているわけだ。

 キャッシュレス化した社会ではスマホが財布代わりになる。直接的な資産はもちろんのこと、取引履歴や自動引き落とし契約の情報などもスマホに集約されていく。そのスマホが遺品となったとき、パスコードが分からないからと諦めて捨て置けるだろうか。

 今は、持ち主の死後にただ放置されたり、中身がよく分からないまま処分されたりしているスマホが大量にあると予想される。デジタル遺品サポートの窓口にわざわざ連絡するのは、差し迫った事情があったり、この手の情報に精通していたりするほんの一部の人たちだ。日本でスマホを利用したキャッシュレスの支払いが普及することで、「遺品スマホを何とかしたい」という需要が喚起されることは想像に難くない。