レンタルサーバーなどの有料サービスだと、ユーザーの死亡で引き落とし口座が凍結してしまい、未払いが続いて契約解除になることはしばしばある。しかし、それはユーザーの生死と直接ひも付いているわけではない。

 Webサイトやブログは、持ち主(ユーザー)の代わりに管理してくれる家族や友人がいなければ、そのまま放置されることになる。代理の管理人がいても、数年以上継続する例は少ない。多くは一周忌のころまでに閉鎖されたり、再び放置されたりする。筆者が追っている範囲内では、5年以内に姿を消す事例が多いように思う。10年以上継続するのはまれだ。

 放置されているうちに荒らされることもあれば、コメント欄に追悼の言葉が連なっていくこともある。いずれはホームページスペースやブログを提供している企業が、そのサービスを終了したり、事業を方向転換したりするなどして強制的に幕を下ろされることになる。

 最近では、無料ホームページスペース大手のYahoo!ジオシティーズが2019年3月末にサービスを終了した(※)。終了告知時に約400万件のサイトを保有しており、半年間の移行期間中に手を打たなかった多くのサイトが一斉に消滅した。

故人のサイトがたどるプロセス。上が誰にも引き継がれず放置される場合で、下が家族などが引き継ぐ場合
(筆者が作成)
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 2005年に個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)が施行されるまでは、ホームページのプロフィール欄に顔写真や住所、電話番号を載せることも珍しくなかった。そのころに家族が作ったサイトが残っていたら困る人もいるだろう。

 こうした個人情報がさらされる状態は避けたいし、荒らされるのも避けたい。削除するか、故人のホームページやブログなどを残しておきたいのなら何らかの形で管理することが必要だ。

 時代に合わせて管理のトレンドが変化していくのは仕方ない。それに対して何の備えもせずにオンラインサービスを使っているとしたら、今後のインターネットの常識や傾向の変化に、身を委ねるだけになってしまう。

 自分がSNSのアカウント、ブログ、ホームページなどを残して死んでしまうなど、将来起こり得ることをできる限り想定して、家族や友人に自分の死後にどうしてほしいのか、意向を伝えておくことが望ましい。

古田 雄介(ふるた ゆうすけ)
1977年生まれ。建設業界と葬祭業界を経て2002年にライターへ転職し、テクニカル系の記事執筆と死の周辺の実情調査を進める。「古田雄介のアキバPick UP!」(ITmedia PC USER)、「インターネット跡を濁さず」(d.365)、「ネットと人生」(インプレス シニアガイド)などを連載。著書に「ここが知りたい! デジタル遺品」(技術評論社)、「故人サイト」(社会評論社)、「死とインターネット」などがある。