今は誰もが無料でインターネット上にデジタル資産を量産できる時代だ。SNSのアカウント、ブログ、ホームページは送受信可能なメールアドレスとハンドルネーム、それに携帯電話番号さえあれば即座に作れる。そこに写真や日記を投稿したり、コメント欄やダイレクトメッセージで他の人とやり取りすれば、替えの効かない資産になるだろう。

 これらのオンライン資産は持ち主の死後にどんな道をたどるのだろうか。

(撮影:古田 雄介)

遺族が引き継いでも没後10年以上の存続は珍しい

 印象的なホームページがある。

 糖尿病を患う男性が運営する「落下星の部屋」というサイトで、右目の失明や両足を切断する過程など、悪化する健康状態を一人称でフランクに、そして詳細につづった手記が多くの人の心をつかんできた。管理人さんは2002年に亡くなったが、2019年4月現在もサイトは健在だ(正確には2016年下旬からしばらくアクセスできない時期が続いた)。

「落下星の部屋」のトップページ。掲示板など一部コンテンツは機能していないが、メーンの文章は当時のまま読める。
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 また、時代劇番組の研究サイトとして名を馳せた「印玄のホームページ」は管理人さんが1999年4月に亡くなっているが、こちらも存続している。1970年代のテレビ時代劇の貴重な研究資料として、往年のホームページブーム全盛期を思い出させるページとして、今日も全世界に公開されている(2019年4月の原稿執筆時点)。

「印玄のホームページ」。初代管理人さんの没後に有志が引き取り、サイトを複製した。
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 管理人(作成者)の没後10年以上、20年近く存続しているこのようなサイトはとても珍しい。

多くは放置の後に消滅する

 原則として、サービスの運営側がユーザーの生死に気付いて、閉鎖や「凍結」の措置を取ることはない。社会的に有名な事件に巻き込まれたり、そのままにしておいたら荒らされたり個人情報が拡散したりするなど二次被害が発生したりするときに、特例の措置を取る場合がある、という程度だ。