NTTドコモは新料金プラン「ギガホ」「ギガライト」の契約者を対象に、アマゾンジャパンの有料会員サービス「Amazon プライム」の利用権(1年分)を付与するキャンペーンを2019年12月に始めた。

 これに先立ってドコモが2019年11月26日に開いた発表会。前日に急きょ案内が出され、ドコモの吉沢和弘社長だけでなくアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長もゲストで登壇するとのこと。予定を調整して会場に駆け付けたが、内容を聞いて拍子抜けしてしまった。説明は10分強で終わり、残念な気持ちだけが残った。

新規獲得も囲い込みも期待薄か

 同キャンペーンではAmazon プライムの年会費(通常4900円、税込み)をドコモが負担する。対象となる新料金プランの申込件数は2019年12月中に1000万件を突破する見込みで、2020年3月末に1700万件の目標を掲げる。登録には条件があるので全員に適用されるわけではないが、仮に5割の登録で済んだとしてドコモは「850万件×4900円」で416億5000万円分を負担する計算になる。

 果たしてどれだけ効果は見込めるだろうか。「Amazon プライムがついてくる」という施策は大阪ガスや中部電力などの電気サービスでも見られ、目新しいものではない。Amazon プライムに加入済みのユーザーも多く、新規獲得の大幅増につながるとは考えにくい。料金プランに組み込んで提供するならまだしも、キャンペーンにすぎないため、囲い込みの効果もあまり期待できないのではないか。

 ふに落ちないのは、今回の協業でアマゾン側が一方的に有利に見えることだ。ドコモはAmazon プライムの年会費を負担するだけでなく、スマホ決済「d払い」を使ったAmazonにおける商品購入で「dポイント」を5倍還元するキャンペーンまで始めた。アマゾンにとって、これほど頼もしい送客はない。

 かたやドコモはポイントの5倍還元キャンペーンも加わって持ち出しが増えるだけだ。同社は今回のキャンペーンによる業績への影響を開示していない。通期計画には織り込み済みとするが、ただでさえ今期は料金下げで大幅な減益が想定される中、費用の無駄遣いにすら見えてしまう。競合他社からも「ドコモがアマゾンとがっちり組んでくるのは怖いが、今回は狙いが読めない。資金に余裕があるのでは」(幹部)との声が聞こえてくるほどだ。

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