「格安スマホ」に代表されるMVNO(仮想移動体通信事業者)市場の活性化に向け、総務省が新たな支援策の検討に動き出した。日本経済新聞は2019年10月17日、「格安スマホで通話も安く 総務省、回線コスト半額視野」と報じた。

 MVNOがデータ通信サービスの提供に当たって携帯大手に支払っている接続料は「原価+適正利潤」の規則に基づいて毎年下がっているが、音声通話の卸料金は「エンドユーザー料金(30秒20円)の70%程度」(携帯大手幹部)の水準で高止まりしたまま。透明性や適正性の観点で問題があるとの不満がMVNOから出ており、総務省はここにメスを入れるわけだ。

 最近はメールやSNSによるやりとりが中心で音声通話を全く使わなくなったという人が多いだろう。音声通話料が仮に半額となったところでうれしくないかもしれないが、MVNOにとってはありがたい支援策となる。

 というのも、楽天モバイルの新規参入で料金競争に火がつけば、携帯大手のデータ通信料金がMVNOに近づいてくることが想定される。多くのMVNOはいまだに黒字化もままならない状況であり、対抗値下げの余裕などない。ただでさえ通信品質やサポート、付加サービスなどで携帯大手に見劣りする中、最大の強みであるデータ通信料金でも差を詰められることになれば死活問題となる。

 そこで、今回の支援策である。もっとも、音声通話料が多少下がったくらいでは大した助けとはならず、本命は音声定額の卸提供の実現とみている。携帯大手がMVNO向けに提供する音声通話の卸料金は現状、従量制のメニューだけ。独自の工夫で音声定額を提供するMVNOが増えてきたが、通話ごとに最大10分などの制限がある。MVNOの間では定額制のメニューも提供してほしいとの声が根強い。

大手3社の音声事業は7000億~1兆円規模

 音声定額の卸提供が実現すれば、MVNOは新たな活路が見えてくる。中小をはじめとした法人市場の開拓による成長だ。音声通話は長らく減少傾向にあるとはいえ、企業を中心に底堅いニーズがある。

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