総務省は携帯大手による行き過ぎた囲い込みを防ぐため、2年契約を途中で解約した場合の違約金に上限を設ける方針だ。現行は大手3社とも9500円(税別、以下同じ)に設定しているが、上限を1000円とする案が出ている。

 違約金に上限を設ける方針は、改正電気通信事業法が2019年5月に成立した時点で決定済み。KDDI(au)やソフトバンクは6000円程度の水準を確保すべく、総務省の有識者会議で新たな案を提示していたが、それを大幅に下回る上限1000円の案が突如出てきて度肝を抜かれた。官邸主導の「鉄つい」が下ったような格好だ。

 違約金の上限1000円は、いわゆる「2年縛り」を実質、無効にしてしまうほどのインパクトがある。ただ、実現に向けてはさまざまな課題が想定され、総務省と携帯大手には丁寧な説明が求められそうだ。

抜け道をどこまで塞げるか

 そもそも2年縛りは2年契約を条件に通信料金を割り引く立て付けとなっており、途中解約時は逸失利益の一部回収を目的とした違約金の徴収が一般に認められている。違約金の水準についても、消費者契約法の第9条で「解約に伴って事業者が被る平均的な損害額を超えてはならない」とある。

 この状況で違約金の上限が1000円に決まると、どうなるか。普通に考えれば、大手3社は2年契約を条件とした割引を縮小せざるを得なくなる。大手3社は現在、2年契約を条件に通信料金を月1500~2700円引きとしているが、違約金の上限が1000円では月100~200円の割引が精いっぱいだろう。

携帯大手の違約金の状況
(出所:総務省)
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 もっとも、大手3社が値上げに動くとも考えにくい。仮に値上げに踏み切って他社が追随しなければ、顧客が流出するだけだからだ。だからこそ総務省も強硬手段に打って出たとみられるが、大手3社は単純値上げではない何らかの形で料金プランの見直しを余儀なくされそうだ。

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