NTTドコモとソフトバンクに続き、KDDI(au)が新料金プランを発表した。「家族割」や「ゼロレーティング」など他社に劣っていた部分をしっかり補強しつつ、データ容量の上限を撤廃したプランまで投入してきた。発表が最後だったこともあり、かなりよく練られた内容となっている。筆者が感心したのは、アップセル(顧客単価の上昇)を期待できそうな要素が多い点だ。

フラットプラン寄せを強化

 まず「家族割プラス」。NTTドコモは、家族で通信量をシェアするプランを主軸としていたこともあり、3人以上の契約が70%程度、2人の契約が15%程度(ファミリー割引グループの人数)と家族契約の比率が突出して高い。KDDIは家族契約の比率を公表していないが、NTTドコモほどは高くないはずだ。その分、減収影響を抑えられ、家族契約の拡大による契約数の増加を見込める。

NTTドコモは家族契約の比率が高く、全体の85%程度を占める。それだけ値下げの影響も大きくなる
(出所:NTTドコモ)
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 次に「新auピタットプラン」では従来の5段階定額から3段階定額に切り替えた。3段階の上限(7Gバイトまで)に達した場合の料金は月5980円(家族割や光回線とのセット割の適用で4480円。いずれも税別、以下同じ)となっており、SNSの通信量をカウントしない新料金プラン「auフラットプラン7プラス」の月5480円(同3480円)より高い。

 3段階の中間(4Gバイトまで)の料金も月4480円(同2980円)と絶妙な水準に設定しており、auフラットプラン7プラスとの料金差は月1000円(同500円)。これならauフラットプラン7プラスにしてしまおうと考えるユーザーは多いはずだ。auピタットプランの上限よりauフラットプランのほうが安いのは現在も同じだが、新auピタットプランでは3段階定額に狭めることで、よりアップセルを図りやすくなった。

 最後に「auデータMAXプラン」も一定の需要を見込めそうだ。KDDIは今回、通信量の上限が月20Gバイトの「auフラットプラン20」と、同25Gバイトの「auフラットプラン25 Netflixパック」を残した。毎月の通信量が7Gバイトを超えるユーザーは両プランが筆頭候補となるが、ここでも通信量を気にせず使いたいとしてauデータMAXプランを選ぶケースが増えそうだ。

 もっとも、国内初となる容量制限なしの料金プランの導入には賛否が分かれるかもしれない。「大量のデータ通信または長時間接続を伴う場合は通信速度を制限する」と同社の発表資料にある通り、容量無制限は設備への負荷が高くリスクが大きい。

 今後はユーザーの通信量が確実に増えていくことが想定される中、料金の上限を安易に設けてしまったとの見方もできる。通信量が増えても値上げしにくく、かなり思い切った決断を下したというのが率直な印象だ。

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