「改元対応は事前に周到な準備ができたが、初めて経験する10連休は想定外のトラブルが起こる可能性も否定できない」。

 一部企業のシステム担当者が改元対応よりも警戒しているのは、改元に伴う10連休への対応だ。2019年4月27日(土曜日)から5月6日(月曜日)にわたって、主要な企業の業務や行政手続きが10日連続で止まる初めての事態を迎える。

 金融機関や証券市場、行政機関の業務などが連休中に休止することで、連鎖的に止めざるを得ないシステムが多数出る。連休明けに一気に稼働させると、連休中にたまった処理が規定時間内に終わらず、システムトラブルにつながる恐れがある。

 このため、影響が想定される企業や行政機関では連休前後に処理を分散させたり、必要な処理量を見積もりながらシステムを増強したりすることでトラブルを回避する考えだ。中には「万全の準備をしている」(東京証券取引所)と自信を見せる企業もあるが、業務によっては必要な処理量の見積もりが難しく、想定外の事態が起こる可能性は拭いきれない。多くの企業が警戒を強めながら対応を急いでいる。

バッチ突き抜けを警戒するクレジット業界

 10連休を警戒する代表的な業種がクレジットカード会社だ。会員がカードを使った際の決済はもともと24時間365日体制でオンライン処理しており、10連休だからといって特別な対応は必要ない。

 だが、月次で処理するバッチが規定時間内に終わらない「突き抜け」が起こる可能性があり、戦々恐々としている。カード会社は、カード利用額1カ月分をまとめて会員に請求する。利用額の締めと集計、確定、明細書の作成、郵送、引き落としなどの処理は全て1カ月単位のバッチ処理である。

クレジットカード各社は会員に対し、処理日変更の可能性などについて注意を呼びかけている
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 特に銀行口座からの引き落としが難題だ。10連休中は多くの銀行が営業しておらず、引き落とし処理ができない。当然のことながら、引き落とし処理が10連休の前と後に集中する。

 会員が10連休前に請求額を口座に用意できなかった場合、カード会社は翌営業日などに改めて引き落とし処理をする。通常ならば翌営業日は翌日または土日明け、例年のゴールデンウイークや年末年始のような長期休暇でも翌営業日はせいぜい5~6日後である。

 しかし、今回は翌営業日が10連休明けの2019年5月7日になる。つまり、通常の引き落とし処理も、会員の入金が間に合わなかった場合の引き落とし処理も5月7日に集中しがちだ。

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