「Pythonはどうしてこんなにはやっているんですか」。プログラミングを最近学び始めた人と話をしていて、そんな質問を受けた。自分としてはPythonを学ぶ意義は自明だと思っていたが、プログラミングにあまり詳しくない人にはそうでないのかもしれない。

 私は、2019年10月上旬に開催されたイベント「日経 xTECH EXPO 2019」で、「非プログラマーがPythonを学ぶ意義」と題して講演した。そこで今回のコラムでは、この講演のプレゼンテーションを基に、Pythonを学ぶべき理由を説明したい。

 ただ、内容を少しだけ変えようと思う。講演では非プログラマーを対象にしていたが、今回のコラムではプログラマーを含めたすべての人を対象にする。Python以外の言語を使っているプログラマーにとっても有用な内容だと思うからだ。講演では、非プログラマーがプログラミングを学ぶ意義を最初に説明したが、その部分は省略する。

Pythonが得意とする分野

 世の中にはたくさんのプログラミング言語がある。よく使われているものだけでも、C、C++、C#、Java、JavaScript、PHP、Python、Ruby、Swiftなど様々だ。マイナーな言語も入れると数え切れないくらいある。

 プログラミング言語を「汎用プログラミング言語」と呼ぶこともある。どの言語を選んでも、理論的にはどんなロジックでも記述できるという意味だ。この特徴を「チューリング完全」と呼ぶ。チューリング完全でない言語は、普通はプログラミング言語とは呼ばない。

 もっとも、言語ごとに得意分野は存在する。例えば、「ある分野で言語Aを使うと処理を一から書かなければならずシステムの開発が大変なのに対し、言語Bは豊富なライブラリーを持つため簡単にシステムを開発できる」といったことはよくある。また、「ある分野で言語Xを使うと高速に実行できるが、言語Yでは処理に時間がかかる」といったこともある。

 具体的な得意分野を挙げよう。Javaはエンタープライズシステムの記述に多用されるし、JavaScriptはWebのクライアントソフトウエアの記述に主に使われる。Rubyで書かれたRuby on Rails(以下、Rails)というフレームワークは、Webアプリのサーバー側システムの開発に使われる。Swiftは、iOS向けのアプリ開発に使われている。

 では、最近注目を集めているPythonの得意分野は何だろうか。それはずばり人工知能(AI)である。

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