プログラミングを始めようとする初心者による定番の質問の1つが「どのプログラミング言語を選べばいいか」というものだ。一般にプログラミングには「難しい」という印象があるため、なるべくやさしく始められる言語を選びたいのだろう。

 あるいは、プログラミング言語に優劣があると考えているのかもしれない。劣る言語を学ぶのは時間の無駄なので、なるべく優れた言語でプログラミングを始めたいというわけだ。

 プログラミングに少し慣れてくると、自分が使っている言語が「お気に入り」になることもある。それだけならよいのだが、他の言語をけなし始める人も一部には出てくる。「他人よりも優れた言語を使っている」と優越感に浸りたいのだろう。

 昔、そのことを皮肉る図を作って雑誌に掲載したことがある。図のタイトルは「言語にこだわると『できる人』になったと錯覚できる」というものだ。

1つの言語に固執する初心者を皮肉った図
(出所:日経ソフトウエア2016年2月号)
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 図では、えせRubyistが「Rubyの仕事しかしたくない。JavaやPHPはゴミ」と言い、にわかLisperが「Lisp最高。Lisp以外の言語を使うのはバカ」と言っている。そして、中央に大きく「不毛」と書いてある。図を作った私が「こんなことを言うのは不毛だ」と主張しているという構図だ。

 我ながら、ひどく感じの悪い図である。こんな極端なことを言う人を実際に見たことがあるわけではない。

 ただ、初心者とおぼしき人が、自分の好きな特定の言語を持ち上げたいあまり、他の言語の欠点をあげつらうような文章を公開するのはときどき目にする。たいていは、詳しい知識を持つきちんとしたプログラマーに、技術的な誤りや視野の狭さを指摘されておしまいだ。

 この図を見て「大森という記者は、RubyistやLisperがこういうことを言うとの偏見を持っている」と誤解する人がいるかもしれない。そうした人は、私が「えせ」「にわか」という言葉を意識して使っていることに注意してほしい。

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