ニチレイロジグループが物流事務の働き方改革でRPAを導入している。RPA適用が難しい個別業務も含め、目標の2倍の作業を自動化した。女性社員の支持を取り付け、手厚い導入支援体制を敷いて成果につなげた。

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 食品を中心とした冷凍品や冷蔵品を扱う低温物流大手、ニチレイロジグループが働き方改革を進めている。同グループは冷凍や冷蔵機能を持つトラックによる輸配送や、倉庫保管などを担う約40の事業会社からなる。

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多様な事務作業の効率化と働きがいの向上を目指してRPAの導入を開始(写真提供:ニチレイロジグループ本社)
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 Eコマースの普及で取り扱う貨物が増えているのに伴い、物流現場で人手が足りなくなっている。この課題を解決するため、2016年春から全国112カ所の物流拠点を対象に改革を進めてきた。倉庫作業を自動化する無人フォークリフトなどを導入している。

 貨物の入出庫管理など、物流拠点におけるパソコンを使った事務作業の効率化も大きなテーマだ。そこで2018年1月から、パソコン作業をソフトウエアのロボット(ソフトロボ)で自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を導入している。「改革の切り札はRPAとみなして、社員の働きがいを高める目的で適用を進めている」とグループの持ち株会社、ニチレイロジグループ本社の北川倫太郎業務革新推進部長は話す。

 ツール選定などを経て2018年にRPAの導入を本格化させた。「業務システムとExcelを使って、貨物の受け入れ予定リストを作成する」といったソフトロボを相次ぎ開発。2019年3月までに当初掲げた目標の2倍に当たる年2万400時間の作業を自動化できた。

図 ニチレイロジグループが進めるRPAを使った事務処理の効率化施策の目標と成果
当初予定の2倍の業務をRPAで自動化
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RPAに向かない作業にも適用

 一般にRPAは大量のデータを同じ手順で処理するパソコン作業に向く。ニチレイロジグループも複数拠点で実施していたパソコン作業を1拠点に集約している。「顧客企業からファクシミリで届く運送依頼書の内容を業務システムに入力する」といったものだ。

 しかし各物流拠点の全てのパソコン作業を集約できるわけではない。顧客企業は約5000社に上り、「異なる形式の出荷依頼データをメールで受け取り処理する」など、顧客企業ごとに固有の作業をするケースも多い。

 標準化できない作業は本来RPAには向かない。しかしあえて導入に踏み切った。「社員の事務作業の負担が減るよう物流拠点でもRPAを活用することにした」(ニチレイロジグループ本社の勝亦充業務革新推進部部長代理)。NTTデータのRPAツール「WinActor」を導入して、社員自らソフトロボを開発する体制を構築した。

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