所属研究者の吉野彰名誉フェローのノーベル化学賞受賞で脚光を浴びた旭化成。AIやIoTを活用し、素材開発から事業化までモノ作りのデジタル変革に力を入れる。さらに素材の提供にとどまらない広い視野で世の中の動きを捉え、新たな価値の創出も目指す。成長と変革に向け小堀秀毅社長が推し進める「コネクト」戦略の狙いとは。
(聞き手は大和田 尚孝=日経 xTECH IT 編集長、外薗 祐理子=日経 xTECH/日経コンピュータ)
吉野彰名誉フェローが2019年のノーベル化学賞に選ばれました。おめでとうございます。
ありがとうございます。自分のことのようにうれしく思っています。当社だけではなく、日本の産業界の誇りではないでしょうか。
受賞が決まったとき、私は投資家とのミーティングで欧州に出張していました。決定の瞬間に日本にいなかったのは残念ですが、投資家の方々からも祝福の言葉をもらいました。当社が素晴らしい研究者を擁するテクノロジーベースの企業だと改めて認識してもらえたと感じています。
足元の収益と基礎研究を両立させるためにどんな工夫をしてきましたか。
これまで売上高の4%をめどに年間の研究開発費に充ててきました。それだけではなく、研究開発に携わる従業員がモチベーションを高く保てる環境も重要です。
中長期的に研究開発力を高める取り組みとしては、2019年度からの中期経営計画に「持続可能な社会づくりに貢献して企業価値を高める」という目標を掲げました。目標とする姿を実現するため、注力する事業分野を環境・エネルギー、モビリティー、ヘルスケアなど5つに絞り込み、各分野について私たちが強みを発揮できるコア技術を棚卸ししました。コア技術にさらに磨きをかけることに、多くの研究者が携わるようにしています。
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