作業服専門チェーンのワークマンが9期連続の増収と好調を続けている。アウトドアファッションを扱う新業態「WORKMAN Plus」が一躍人気となった。快進撃を支えるのは需要予測システムを駆使したデータ活用だ。同社を率いる小浜英之社長に、知られざるデータ経営の極意を聞いた。

(聞き手は大和田 尚孝=日経 xTECH IT 編集長、矢口 竜太郎=日経 xTECH/日経SYSTEMS)

小浜 英之(こはま・ひでゆき)氏
1990年、ワークマンに入社。2009年に商事部長、2011年に商品部海外商品部長などを歴任。2016年に執行役員商品部長、2017年に取締役スーパーバイズ部長。2019年4月から現職。(写真:村田 和聡)
[画像のクリックで拡大表示]

低価格のPB(プライベートブランド)商品が人気の新業態「WORKMAN Plus」が好調です。

 やはり商品がお客様に認められたということでしょう。ワークマンはもともと、プロの職人が仕事着を買いに行く店として知られていました。新業態のWORKMAN Plusには「業務用の高品質な商品が安く買える」という驚きがあったのだと思います。

 PB商品を作り始めた当初の目的は、客数の増加でした。対象の顧客は従来と同じ、プロの職人だったのです。PB商品の効果で来店を促し、固定客を増やそうとしました。

 ただ、国内でプロの職人の人数は減少傾向です。プロ向けの業態で店舗数を増やしても早期に限界が来ると予想できていました。そこで一般消費者にまで客層を広げようと考えました。今までワークマンのお店に来たことがない消費者へと客層を広げるに当たって、ファッション性を高めたPB商品がニーズにマッチしたわけです。

具体的なヒット商品は。

 例えばかかとを踏んでスリッパのように履ける靴です。普通の靴ですが、スリッパやサンダル感覚で使えます。

 もともとは住宅建築の職人さんが使うために作られた靴でした。住宅建築の作業が進んで内装の施工作業が始まると、土足で住居内に入れなくなります。頻繁に屋外と室内を行き来するときに、ぱっと履けるようにかかとを踏める靴を作りました。

 この機能を持つ靴を少しおしゃれにしたところ、「キャンプでテントから少し出るときにすごく楽で便利」とお客様にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で紹介してもらえました。当社の社員では思いもよらない商品の使い方を、一般消費者の方がSNSで発信されていたのです。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら