東南アジア有数のバイク王国、インドネシア。お国柄を背景に、バイクタクシーの運転手の待ち時間解消のため二輪の配車サービスとしてゴジェックを創業した。今や金融や物流、料理の出前など生活全般に関するプラットフォームに成長させた。世界に18社しかない「デカコーン」(推定企業価値100億ドル以上の未公開企業)となった次の一手を、創業者でCEO(最高経営責任者)のナディム・マカリム氏に聞いた。

(聞き手は玉置 亮太=日経 xTECH/日経コンピュータ 副編集長、外薗祐理子=日経 xTECH/日経コンピュータ)

ナディム・マカリム(Nadiem Makarim)氏
1984年生まれ。米マッキンゼー・アンド・カンパニーのジャカルタオフィスを経て、ゴジェックを創業。米ブラウン大学卒業。米ハーバード大学経営大学院にて経営学修士号(MBA)を取得。(写真:村田 和聡、以下同)
[画像のクリックで拡大表示]

2010年に創業し、わずか9年でゴジェックはインドネシアを代表する企業の1つになりました。成功の要因をどのように分析していますか。

 理由は4つあります。1つめは、まず二輪の配車サービスから始めたことです。四輪より二輪のほうが配車サービスは効率的です。運転手の待ち時間を活用した宅配や料理の出前なども手掛けやすくなり、その後のスーパーアプリ(多様な機能を持つ生活全般のアプリ)戦略につながりました。

 第2の理由は人材です。自分の給料よりも顧客の幸せや社会課題の解決に関心があるという、「伝道師」のような人々を採用してきました。彼らのおかげで多くのイノベーションが生まれました。

 インドネシア企業であることが3つめの理由です。なぜならインドネシアこそが東南アジア最大の市場だからです。私たちは何世代にもわたり、人脈や協力関係、政府との関係をこの地で築いてきました。私自身、学生時代の数年間は母国から離れましたが、その間も私の家は常にインドネシアにありました。

 そして最後は効率性です。私たちのお金の使い方は競合他社より効率的です。収益化に向けたマラソンで、私たちをより遠くまで進ませてくれるでしょう。

ライドシェアは収支トントン

上場した米ウーバーテクノロジーズや米リフトは上場申請書の中で「配車サービス業界は競争が激しく、収益性が低い」と訴えています。

 彼らはほぼ配車サービスだけの会社で、かつ、四輪のサービスである点に留意すべきです。ゴジェックとは全く異なります。私たちのプラットフォームの総取扱高のうち配車サービスが占める割合は4分の1以下です。そのうち多くは四輪からではなく二輪から生じています。利用客から得るサービス料金は四輪と二輪で大差ありませんが、二輪のほうが運転手にとっては初期費用も維持費用も安く済みます。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら