今年でモバイル通信(移動通信)サービスが始まってから丸40年になる。そのシステムは一朝一夕に出来上がったわけではなく、約10年ごとに世代交代を重ねてきた。その進化の過程を世代ごとに振り返ろう。

 4Gはスマートフォンの時代だ。大画面で大容量コンテンツを閲覧し、様々な通信アプリが動作するスマートフォンは、モバイル端末の位置付けを携帯電話機からデータ通信端末へと大きく変えた。それは4GのLTEによる高速大容量通信で初めて実現できた。

iPhoneで急速に普及

 NTTドコモは2011年、LTEによる携帯電話サービス「Xi」を始めた。当初はデータ通信専用端末だけだったが、翌年の2012年からLTE対応スマートフォンの提供を開始した。

L-02C(NTTドコモ、2010年)
(出所:NTTドコモ)
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 ソフトバンクは2012年2月、LTE方式のうち「TD-LTE」を使った携帯電話サービス「SoftBank 4G」を始めた。同年9月には、「FD-LTE」による携帯電話サービス「SoftBank 4G LTE」を開始。同じく同年9月にKDDIが「au 4G LTE」を開始した。これらはいずれも米アップル(Apple)のスマートフォン「iPhone 5」に合わせたものだ。

iPhone 5(KDDI/ソフトバンク、2012年)
(出所:米アップル)
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 LTEから、国内の3大携帯電話事業者が同じ規格でサービスを始めた。3Gの目標だった世界の統一規格が、LTEで成し遂げられたことになる。

OFDMAで広帯域化

 LTEは3Gから大幅な高速化を実現している。仕様上の最大速度は150Mビット/秒。W-CDMAの2Mビット/秒と比べると75倍にもなる。

LTEの主な規格の基本仕様
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 LTEにおける技術面での最大の特徴は、アクセス方式に「OFDMA」を採用した点だ。これにより、3Gよりも大幅に周波数帯域を広げ、高速化を実現した。これは5Gでも継続して使われる中核技術である。

 OFDMAでは、広い帯域を細かく分けた多数のサブキャリアを使って、同時並行でデータを送信する「マルチキャリア」を採用した。各サブキャリアの周波数は、互いに干渉しないような配置が選ばれる。こうした干渉しない関係は「直交関係」と呼ばれる。こうすることで、周波数の利用効率を高めている。

OFDMA(下り)
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SC-FDMA(上り)
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