2019年でモバイル通信(移動通信)サービスが始まってから丸40年になる。そのシステムは一朝一夕に出来上がったわけではなく、約10年ごとに世代交代を重ねてきた。その進化の過程を世代ごとに振り返ろう。

 2Gは主に1990年代に使われたモバイル通信システムだ。1Gはアナログ技術が使われていたが、2Gではデジタル技術を採用した。音声圧縮や誤り訂正が可能になり、収容効率を一層向上できるようになった。また、パケット通信の実現により、本格的なデータ通信が始まった。

各社が2Gサービスを開始

 NTTドコモは1993年、「PDC」という方式を使ってサービスを開始した。

デジタルムーバF(NTTドコモ、1993年)
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 1994年には、KDDIの前身であるセルラーグループと日本移動通信(IDO)がPDC方式でサービスを始めた。同じく1994年、ソフトバンクの前身であるデジタルホングループもPDC方式によるサービスを開始している。

 1998年、セルラーグループは「cdmaOne」によるサービスを開始。1999年にはセルラーグループとIDOによるcdmaOneの全国網が完成した。

CD-10K(セルラーグループ、1998年)
(出所:KDDI)
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 cdmaOneはもともと米クアルコム(Qualcomm)が開発した技術に基づいている。基本的に2Gに分類されているが、3Gの技術を先取りした形になっており、「2.5G」と呼ばれることもある。なお、IDOとセルラーグループは2000年に全国統一の携帯電話ブランドとして現在も続く「au」を開始した。

 本格的なデータ通信サービスも2Gで始まった。NTTドコモは1997年に携帯電話向けインターネット接続サービス「DoPa」、1999年にiモードを開始。IDOとセルラーグループは1999年、携帯電話向けインターネット接続サービス「EZweb」「EZaccess」を開始した。

 デジタルホングループは1997年、国内初のSMS「スカイウォーカー」を開始。1999年にはデジタルホン各社とデジタルツーカー各社がJ-フォンに社名変更し、携帯電向けインターネット接続サービス「J-SKY」を開始した。

国内標準仕様PDCの誕生

 国内での2Gの主要方式はPDCである。PDCを開発した目的の1つは、NTTとそれ以外の携帯電話事業者を相互接続しローミングしやすくするため、国内での統一規格が求められたからだ。基本的にはNTTで開発された技術がベースとなっている。

2Gの主な規格の基本仕様
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 1991年、現在の電波産業会(ARIB)の前身である電波システム開発センター(RCR)が規格を策定、「JDC」と名付けられた。その後、欧州のGSM、北米のIS-54と並び、海外への展開を図るためPDCに改称されたが、実際には国内だけで使われた。世界中に普及し、デファクトスタンダードとなったGSMと比べると対照的だ。

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