強いストレス状態が続いて潰れてしまった部下がいる。このような部下を復活させ、以前と同じパフォーマンスを発揮してもらうにはどうすればよいだろうか。リーダーの視点から部下の支援方法を解説する。

 潰れた部下のパフォーマンスは落ちてしまいがちだ。その状態で仕事に取り組むため、潰れる前のように作業が進まず、時間通りに終わらない、ミスが多発する、といった失敗をしてしまう。そして、部下はさらに自分を責めて落ち込んでしまう。

 リーダーの中には、自分でやったほうが作業が早いという理由から潰れた部下の仕事を取り上げてしまう人がいる。できるリーダーがやってしまいがちな行動だが、これでは潰れた部下は復活しないだろう。

 部下のリカバリーを支援するには、成功体験を積み重ねてもらうことが大切だ。自身が何かを成し遂げたという成功体験を重ねることで自信を取り戻し、リカバリーの促進につながる。いわば正のサイクルを回せるようになるのだ。

 こなしたタスクに対して、リーダーやチームメンバーが成果を承認する。これにより、部下が自信を深めて、新たなタスクへのチャレンジを試みる。新たなタスクの成果が承認されることで、潰れた部下はさらに自信を深めていく。このような一連の流れが正のサイクルである。

正のサイクル
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 部下に成功体験を積み重ねてもらうには、大きく2つの手法が有効である。1つは、取り組みやすい仕事を与えて、1つでも多く課題を達成し、成果を出してもらうこと。もう1つは、達成した仕事の中でできた部分に焦点を当てることだ。

 1つ目の手法から説明する。成功体験を積み重ねるには、目標の難易度設定が重要だ。ポイントは、大きすぎる目標にしないことである。潰れた部下が大きなチャレンジをしても、達成できずに失敗してしまう可能性が高い。これでは、部下がさらに落ち込んでしまうだろう。タスクを細分化して小さくし、1つひとつを承認していくことで達成感を得るのが安全だ。

 潰れた部下がタスクをこなす際は、チームメンバーのサポートが大事だ。潰れた部下は、自分に自信が持てない状態に陥っている。部下1人ではなく、2人以上で作業を進める。サポートできる先輩エンジニアと一緒に作業に当たってもらうのもよいだろう。先輩エンジニアの作業を見ることで、自分にもできそうだと前向きな気持ちになってもらうことが重要である。

 例えば、先輩エンジニアがクライアントへ的確なヒアリングをしているのを見てもらうといったことが有効だろう。メインエンジニアとしてではなく、先輩をサポートする部下という立場で参加してもらう。また、部下と良い人間関係を築けている先輩エンジニアとペアプログラミングで開発するといったことも考えられる。先輩エンジニアのテクニックを間近で学び、自分も次にこうやってみようと思えるわけだ。

 ここで注意したいのは、潰れた部下より圧倒的にスキルが高く、高圧的な人をサポートに付けないことだ。「自分には無理だ」と感じて落ち込んでしまうことがある。少し努力をすれば追い付けそうなレベルの人をサポート役にすると効果的である。

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