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「馬力を上げろ」「もっと燃費も上げろ」。度重なる要求に最善を尽くすエンジンの開発部隊。しかし、思うように性能が出ない。残るは奥の手、エンジンの燃焼室やポートの形状を手でいじることだ。後は設計部隊との戦い。「こんなもんできん」「できなきゃ困る」。最後は脅しに近い要求を通し、やっとのことで目標を達成したのだが…。

本間日義氏
(写真:栗原克己)
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 エンジン開発部隊は、燃費23km/L、最高出力85ps(馬力)を見事に達成した。

「よくここまで出来たよな」

 松本宜之が言う。

 エンジン開発を担当した釜神武司は、まんざらでもない顔を向けながらも、釘を刺すことを忘れない。

「もう1度やれと言われても、こんな無茶はできませんよ」

「うんうん。それよりさぁ、何かカッコ悪くないか」

「え?」

「エンジンにカバーを付ようぜ。やっぱりエンジンカバーが付いてる方がカッコいいもんな。うん、決めた。じゃあ、頼んだぞ」

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