米マイクロソフト(Microsoft)は2019年2月24日、新型のMR(Mixed Reality)用ヘッドマウントディスプレー(HMD)「HoloLens 2」を2019年内に発売すると発表した。従来機種の「HoloLens」に比べて、視野を広げ操作UIを改善するなど、正常進化を遂げた。この連載では、初代となるHoloLensを分解し、その構造を分析する。(前回はこちら



 「HoloLens中、最もコストをかけた部分ではないか」──。光学設計が専門の技術者A氏や映像機器を設計する技術者C氏で意見が一致したのが、立体映像を利用者に見せるための光学モジュールと導光板である。C氏は「HoloLensの製造原価は30万円ぐらいとみられるが、そのかなりの部分を光学系が占めているはずだ」とする。

 利用者にとってこの見せる技術の特徴は、重畳映像の表示可能範囲の広さ、つまり画角がそれまでのAR(Augmented Reality)グラスの約2倍と広いことだ。画角とは、ARグラスなどで映像の表示可能範囲を角度で表現したもので、Field Of View(FOV)、または視野角とも呼ぶ。

 従来、多くのARグラスの画角は対角10~20度だった。まるで筒を通して周囲を見るようなもので、実空間に固定された立体映像から一度視線を外すと、再度見つけるのに苦労する。

 一方、MicrosoftはHoloLensの画角を公表していない。利用者の測定では30~60度とバラつく結果になっている。これはHoloLensで利用できる立体映像の多くが、表示可能範囲よりも小さいため、正確な測定が容易ではないからだと推測できる。

 ここでは映像表示可能範囲が明確になる、大きな旅客機の立体映像で画角を簡易測定した(図1)。結果、片眼では対角約41度、両眼では同約45度という値が得られた。これは技術者C氏が独自に測定した約40度という値とほぼ同じである。

 画角が両眼で対角45度は、例えば2m先に約65型の大型ディスプレーがあるのと同じになる。ただし、HoloLensを体験した人からは、これでも画角が狭いという不満の声が多く聞かれた。

図1 画角は40度超か
HoloLensの画角(FOV)を本誌が簡易測定した。目から約48cmの距離で、映像表示エリアの横幅と縦幅を測定(a)。そこから、三角関数を用いて画角を算出した。結果、画角は片眼の対角で約41度、両眼では約45度と、10〜20度が多い従来のARグラスに比べて大幅に広い値になった。
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