ITの先進的な取り組みをしている自治体の情報化統括責任者などが参加する「政令市・中核市CIOフォーラム」が、2018年11月5日に第2回目の会合を開催した。

写真●政令市・中核市・特別区CIOフォーラムの様子
11政令市・12中核市(候補市を含む)・10特別区など42団体から49人が参加した(撮影:皆木 優子)
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モバイル端末だけでは効果は不十分

 働き方改革とBCPの観点からモバイルワーク、テレワークの活用方法を議論する午前のセッションでは、まず東京都町田市総務部の中田直樹情報システム担当部長が「業務効率化を目指したモバイル端末の可能性」と題して報告を行った。

 町田市は現在、モバイル端末としてiPadを330台利用している。2013年度に利用環境を検討する実証実験をスタート。2014年度には端末を100台導入して試行運用を進め、2016年度に280台で本格運用を開始した。モバイル端末を全部署の部長と課長に配布し、市民対応用も含めて現状の330台体制を整えた。

 庁外からはVPN(仮想閉域網)により庁内LANに接続し、文書管理やグループウエア事務など庁内業務システムのモバイル利用を実現している。加えて、部長会議や議会などで資料を共用する会議システムも利用できるようにした。

 中田氏は、「モバイル端末だけでは十分な効果は出ない」と指摘する。「働き方改革で、時間と場所の制約を緩和して柔軟な業務スタイルを実現するという、モバイルワークのメリットを享受できるような体制や制度の改正が必要」と強調。同時に、「PCとモバイル端末を相互補完的に使うことで、最大の効果を上げられる」と持論を述べた。

 質疑応答では、岐阜市行政部の進京一情報統括審議監が、モバイル端末の導入時の庁内調整など、現場での具体的な苦労について質問。中田氏は、「最初に試験的にある部署に1台支給したが、『1台ではどうしようもない』と使ってもらえなかった」と説明。まとまった台数を、使ってもらえそうな部署から導入していくことが大切と訴えた。

 続いて、奈良市総務部情報政策課の中村眞CIO補佐官が、奈良市でiPadを試験的に導入していることに触れながら、「アプリを入れたいという現場のニーズにどう対処しているか」と尋ねた。中田氏は、「アプリのインストールは禁止している。MDM(Mobile Device Management:モバイルデバイス管理)でも管理しきれないのが理由だ」と説明した。

中田 直樹氏
東京都町田市 総務部 情報システム担当部長(撮影:皆木 優子)

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