ペダル付き折り畳み電動自転車バイク「glafitバイク GFR-01」を手掛けるくglafit(グラフィット)。2017年9月に設立。同月中には早くも製品の出荷を開始した。素早い展開のウラには15歳で目覚めたビジネスセンスと早くから中国のものづくりに目をつけて基盤を築いた手腕があった。「21世紀のホンダ」を本気で目指す創業者の鳴海禎造代表取締役社長。次のチャレンジは「和歌山生産」と話す(聞き手=コヤマタカヒロ、日経ものづくり編集長 山田 剛良、構成=コヤマタカヒロ、前編はこちら)。

鳴海禎造(なるみ・ていぞう)
glafit代表取締役社長。1980年生まれ。和歌山市出身。関西外国語大学を卒業後、2003年にカーショップ、2007年にカー用品の企画製造販売会社「FINE TRADING JAPAN」を開業。2012年に自社ブランド「glafit」を立ち上げ、将来の自動車メーカーへの一歩を踏み出す。2017年にクラウドファンディングで史上最高額の1億2800万円を調達。直後にglafit設立し、電動バイク「glafitバイク」を発売した。同バイクは第36回日本経済新聞社 日経優秀製品・サービス賞の2017最優秀製品賞、グッドデザイン賞2018などを受賞している。(写真:加藤康)
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会社が潰れない程度の失敗は「肥やし」

 試行錯誤しつつ後のglafitバイクの基本設計ができあがって来た2017年5月、鳴海氏は勝負に出る。それがMakuake(マクアケ)でのクラウドファンディングだ。

glafitバイク GFR-01
運転には原付き免許が必要な電動バイクながらペダルを備え、バッテリー切れでも走れる。写真は特別カラーのウメボシレッド(出所:glafit)
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 当初は目標額1億円、しかも達成できなければ1円も受け取れない「オールオアナッシング」方式で実施したいと考えていた鳴海氏だがこれは「非現実」と判断されて審査に落ちる。そこで目標額を300万円に大幅に下方修正してクラウドファンディングを開始した。このクラウドファンディングは大きな注目を集め、目標額の300万円は開始2時間足らずで達成、最初に準備した400台も3日で完売した。2017年8月の終了時には1284人の支援者から1億円を大きく超える約1億2800万円の資金調達に成功した。

 2017年9月1日にはglafitを設立、9月30日には早くも出荷を始める。クラウドファンディングの支援者への出荷だけでなく、販売業務提携をしたオートバックスセブンでも一般販売も始めた。2年目の現在は販路を拡大、カルチュア・コンビニエンス・クラブ傘下の蔦屋家電や家電量販店のビックカメラ、自動車メンテナンスを手掛けるニッポンメンテナンスシステム系列でも取り扱われるようになっている。

「glafitバイクの販売台数は2019年9月末時点で累計約4000台というところです。この数字、単体の電動バイクの台数としては国内トップの数字になります。電動アシスト自転車などでも単一モデルで考えたらこんなに売れている車種はないと聞いています」

和歌山オフィスのメンバー
(出所:glafit)
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 当初3人のクラブ活動としてスタートしたglafitバイクの事業は鳴海氏が抱える様々な会社の中でも中心的な存在になっている。専業の従業員も14人にまで膨らんだ。中には大手メーカーから転職してきたスタッフもいるそうだ。

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