和歌山県に本拠地を置くglafit(グラフィット)。電動自転車バイク「glafitバイク GFR-01」を手掛ける従業員14人の小さなメーカーだ。2017年8月にクラウドファンディングの「Makuake(マクアケ)」で1億2800万円の支援金を集め、2017年9月に設立。同月中には早くも製品の出荷を開始し、現在までの累計出荷台数は4000台を超える。2019年1月にはヤマハ発動機と業務・資本提携、2月にはパナソニックと業務提携するなど大手からの注目度も高く、これからの事業展開に期待が集まっている企業でもある。創業者の鳴海禎造代表取締役社長に話を聞いた。(聞き手=コヤマタカヒロ、日経ものづくり編集長 山田 剛良、構成=コヤマタカヒロ)

鳴海禎造(なるみ・ていぞう)
glafit代表取締役社長。1980年生まれ。和歌山市出身。関西外国語大学を卒業後、2003年にカーショップ、2007年にカー用品の企画製造販売会社「FINE TRADING JAPAN」を開業。2012年に自社ブランド「glafit」を立ち上げ、将来の自動車メーカーへの一歩を踏み出す。2017年にクラウドファンディングで史上最高額の1億2800万円を調達。直後にglafitを設立し、電動バイク「glafitバイク」を発売した。同バイクは第36回日本経済新聞社 日経優秀製品・サービス賞の2017最優秀製品賞、グッドデザイン賞2018などを受賞している。(写真:加藤康)
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15歳でビジネスに目覚めシリアルアントレプレナーに

 電動バイク「glafitバイク GFR-01」と会社としてのglafitが誕生したのは2017年のこと。しかし今年39歳の鳴海氏のビジネスの始まりは23年前に遡る。なんと15歳で洋服の転売ビジネスを始め、パソコンの組み立て販売などを手掛けた後、大学卒業後の車の販売会社で最初の起業。さらにカー用品の会社を起業している。

「これまで会社を5社立ち上げてきました。そのうち2社は中国で起業しています。glafitの母体になったのは26歳の時に2社目として立ち上げたカー用品の企画製造販売会社『FINE TRADING JAPAN』です。車が好きだったのでカー用品の会社を作ったんですが、その頃は非常に円高で日本の工場がどんどん海外に移転している時代でした。

 もともとは和歌山でオリジナルのカー用品を生産する会社をつくりたかったんですが、時期的にそれが難しく、日本国内の工場を回ってみても事務所機能しかなくて、実際に造っているのは中国という状態でした。そこで単身中国に渡って、香港と広東省に貿易会社を設立。そこから中国の工場などにお金を入れるなどして、自分たちのものづくりのための基盤をつくったのです」

glafitバイク GFR-01
運転には原付き免許が必要な電動バイクながらペダルを備え、バッテリー切れでも走れる。写真は特別カラーのウメボシレッド(出所:glafit)
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 2000年代初頭、中国が世界の工場として飛躍する前だった。中国各地に次々と工場ができていくが仕事はまだそれほどない。そういった中国の工場に入り込み、余っているラインを融通してもらう形で、念願のカー用品の生産を始めたという。

 取り扱うカー用品のカテゴリーは3種類。前照灯、オーディオ・電気周り、そしてカーペットなどのインテリアだ。照明は当初は HID(高輝度放電)ランプがメインだったが、その後、LEDへと切り替わった。また、オーディオ機器から派生してドライブレコーダーやカーナビなども取り扱っている。

「カー用品の事業は10年以上やっていて、現在の売り上げは年間4億円ぐらいになります。glafitは最初、カー用品会社の新規事業として2012年にスタートしたんです」

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