小規模木造住宅、いわゆる4号建築物の設計で構造計算を義務化するよう求める日本弁護士連合会の弁護士たち。構造計算書偽造事件を端緒とする建築確認手続きの見直しで得た教訓を盾に、慎重な姿勢に終始する国土交通省の建築指導課長。同じ“4号特例”という言葉を使っていても、日弁連と国交省では特例の範囲も見直しの着地点も異なっている。4号建築物を巡る改革はどこまで進むのか。“化石”が深読みする。

 定年後再雇用の身となってそろそろ1年半がたつ。定年前の職場では“ジジイ”扱いもされたが、今や“化石”ではないかと自嘲している。

 身の回りの諸事情は定年を境に一変し、体重は4kg減って元に戻らず、眼球や心臓を皮切りに体のあちこちが変調を来した。最近は2カ月連続で歯が欠けた。

 同時並行で処理できる事柄の数は4つから3つ、3つから2つ…と着実に減ってきた。新たなミッションが1つ加わると、何かが1つ、こぼれ落ちていく。体の発する声に耳を研ぎ澄まし、日課である血圧測定の値に一喜一憂する日々だ。

血圧の値ごときで一喜一憂しているようでは情けないのだが…
(写真:日経ホームビルダー)
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 日進月歩の建築技術や日々生じる不祥事の類いを報じるニュースは、ただ眺めるまま目の前を通り過ぎていく1年だった。現場から現場へ走り回ることは次第に難しくなったが、化石には化石なりの視座・視点もありそうだ。

 人や組織が関わる世事や制度、技術には、押しとどめることのできない潮流が確実にある。建築や住宅も人や組織がつくり出すものである限り、その大きな流れからは逃れられない。

 日々のニュースに惑わされず、その情報が建築・住宅の大きな流れにどのような影響を及ぼす可能性があるか、冷静に見極めたい。流れの勢いや方向がどのようなきっかけで変わり、あるいは変わらなかったのか。三十数年その流れを見続けてきた身として、最近の出来事について化石なりの深読みの矢を放つくらいはできるだろう。

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