(1)過去6年間の出題傾向

 施工計画は品質や工程、安全、原価、計測など施工全般に関わる管理を中心に、事前の調査・計画や入札・契約、防災・減災、環境関連の分野からも出題されます。下の表は、2013年度から18年度までの6年間の出題概要です。18年度のII―1では、14~17年度に続いて安全管理について出題されました。コンクートの品質管理は13年度から毎年度、取り上げられています。これら二つは、施工計画では必須の分野と言えます。改正後の19年度も品質管理やコンクリート、安全管理、入札・契約の勉強は外せません。

問題番号 出題概要 分野
2018年度 II 1―1 橋台背面に盛り土を計画する際の留意点と対策 品質管理
1―2 「担い手三法」の背景と改正点 入札・契約
1―3* 橋梁の新設工事における公衆災害の防止策 安全管理
1―4 マスコンクリートの留意事項、製造・運搬や打設・養生などの各段階で講じる対策 品質管理
2―1 崩壊した斜面の復旧で通行の確保を前提として施工計画を立案するうえでの検討項目と留意点 安全管理
2―2 住宅街の幹線道路内に大規模な掘削で築くたて坑の工事における周辺環境への影響と事前の調査項目、対策と施工管理上の留意点 調査、計測管理、環境管理
III 1 発生頻度が高い死傷事故の種類と要因、類似の事故を招いている背景と問題点、解決策と効果および普及方法 安全管理
2 建設工事の各段階におけるICTの活用と生産性の向上、ICTの普及などに向けた課題と解決策 ㆟材不足、生産性向上
2017年度 II 1―1 土留め壁の掘削底面の安定に影響する現象と対策 品質管理
1―2 共同企業体(JV)の形態 入札・契約
1―3 建設業労働安全衛生マネジメントシステムの目的とメリット、実施すべき事項 安全管理
1―4 コンクリートに要求される基本的な品質と留意すべき事項 品質管理
2―1 中心市街地の軟弱地盤に橋脚や基礎杭を施工する際の事前の調査項目、杭の品質や出来形に影響するトラブルの原因と防止策 調査、計測管理、品質管理
2―2 寒冷地の海岸部にある老朽化した鉄筋コンクリート橋の損傷の原因と過程、補修・補強工法と施工上の留意点 品質管理、維持管理
III 1 民間が有する能力を効果的に発揮できる契約方式と効果、提案によって期待される成果や留意点 入札・契約
2 「働き方改革」の課題とi-Constructionによる解決策、雇用や契約制度の改善事項 人材不足、生産性向上
2016年度 II 1―1 軟弱地盤上に盛り土する場合の対策と目的および施工上の留意点 品質管理
1―2 発注者が算出する積算と受注者が作成する実行予算との違い 原価管理
1―3 施工計画を策定する際に安全管理として留意すべき事項 安全管理
1―4 コンクリートの劣化機構と現象および補修にあたって考慮すべき点 品質管理
2―1 地下水位の高い市街地の幹線道路に築く大規模な土留めの選定理由と工法の概要、調査や施工で留意すべき点 計測管理、調査
2―2 マスコンクリートの橋脚で生じやすい初期ひび割れの原因、施工計画で検討すべき事項と施工時に実施すべき対策 品質管理
III 1 品質確保のために担い手を確保するにあたり、担い手不足が生じる要因と課題、立場を踏まえた対策と成果および建設部門全体での方策 人材不足
2 建設工事における最近の不正事案の要因、立場に応じた対策と成果および建設部門全体で取り組むべき方策 品質管理
2015年度 II 1―1 大規模な土留め掘削に伴う周辺地盤の沈下や変位の原因と設計・施工上の対策 計測管理、調査・計画
1―2 設計・施工一括発注方式の導入背景とメリットおよびデメリット 入札・契約
1―3 足場の配置計画や組み立て、解体の各段階において墜落や転落を防止するための留意事項 安全管理
1―4 寒中コンクリートの品質低下の要因と施工計画上の留意点 品質管理
2―1 軟弱地盤上の高盛り土に伴う近接構造物への影響と対策および留意点 計測管理、調査・計画
2―2 型枠および支保工の設計で考慮すべき荷重と取り外しに際しての留意事項 品質管理
III 1 技術者として取り組むべき社会資本整備の分野と課題および対応策、対策時の役割 人材不足
2 維持管理・更新工事を阻害する要因と対応策、対策時の役割 維持管理・更新
2014年度 II 1―1 軟弱地盤上に築く盛り土の動態観測の項目と結果の利用方法 計測管理、調査・計画
1―2 鉄筋コンクリート構造物の耐久性を阻害する要因と対策 品質管理
1―3 埋設物が存在する場所で、公衆災害を防止するために順守すべき項目 安全管理
1―4 総合評価落札方式の二極化 入札・契約
2―1 市街地の道路下で施工するコンクリートの運搬・受け入れ計画とスランプの考え方および留意点 品質管理
2―2 斜面の表層崩壊に対する事前の調査項目と防止策選定時の検討項目、対策方法と留意点 計測管理、調査・計画
III 1 建設現場の生産性を阻害する要因と解決策および効果 生産性向上
2 品質確保のために施工計画時に検討すべき事項と課題および解決策 品質管理
2013年度 II 1―1 工程管理の重要性と管理手法の具体例 工程管理
1―2 暑中コンクリートの品質低下と留意点 品質管理
1―3 市街地の土留め工事における計測管理項目 計測管理、調査・計画
1―4 PFIの導入効果 入札・契約
2―1 コンクリート構造物の養生の目的、高炉セメントコンクリートの特性と施工の留意点 品質管理
2―2 建設工事で生じる産業廃棄物の取り扱いに関し、着工前と施工中の留意点 環境
III 1 老朽化した施設の維持管理や更新で取り組むべき事項と課題および解決策 維持管理・更新
2 重大な労働災害を誘発する要因と解決策 安全管理
* 2018年度のII―1―3は「4―2 論文構成と記述内容」に出題文と論文構成例を掲載

 II―2では調査や計測管理、品質管理が頻出しています。18年度も1問は、事前の調査や管理について述べる内容でした。施工などの留意点についても毎年度、問われています。留意点に関する出題内容は広範囲に及びますが、施工の実務経験があれば基本的な知識で記述できるものが中心です。なかでも大規模掘削に伴う周辺への影響や安全管理、コンクリートの品質管理は重要です。19年度も応用能力を対象とした設問で取り上げられる可能性があります。

 課題解決能力を問うIIIの論文では、時流を意識して維持管理・更新や建設産業の担い手不足、生産性の向上も出題テーマとなっています。18年度も旬な話題を基にした出題で、2問のうちの1問は、15~17年度に続いて人材不足の分野から出題されました。生産性の飛躍的な向上に取り組むにあたり、ICTの活用について解決策などを述べるよう求めています。

 このように、IIIでは建設産業や社会資本整備における昨今の課題をテーマとし、解決策や改善策などを記述する形が続いています。(3)IIIの論文の出題予測と解答のポイントで後述するように、19年度は「問題解決能力および課題遂行能力」が対象になりますが、出題傾向に大きな変化はないと思われます。最新の国土交通白書や国土交通省のウェブサイトなどに目を通して、最近の施策や制度の概要を理解しておきましょう。審議会などの情報も収集しておくことで、テーマの動向や背景などを理解するのに役立つはずです。

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