キャッシュレス決済などのサービスや、スマートフォン(スマホ)などの製品で進境著しい中国企業。その躍進の波は、技術力の根幹ともいえる半導体にも押し寄せている。

 中でも、スマホの心臓部のプロセッサーICでは、「既に2015年に世界トップグループの仲間入りを果たした」と、半導体技術に詳しい元ルネサス エレクトロニクス主管技師長の清水洋治氏(現在は、テカナリエ 代表取締役 CEO)は語る。「米クアルコム(Qualcomm)などの名だたるメーカーを席巻する勢いで台頭・躍進し、現在も世界のトップを走り続けている」(同氏)と言う。

その名は「ハイシリコン」

 世界トップを走る中国半導体メーカーの名はハイシリコン・テクノロジー(HiSilicon Technology、海思半導体)という。ファーウェイ傘下の半導体設計会社だ。世界2位のスマホ出荷台数を誇る華為技術(ファーウェイ)の端末の心臓部には、ハイシリコンのプロセッサー「Kirin」が使われている。

 ハイシリコンが「本当の意味で世界のトップに躍り出た」と清水氏をうならせたのが、2015年に製品化した「Kirin 925」だ。スマホ用プロセッサーの雄であるクアルコムが新製品「Snapdragon 805」を出すや否や、すぐに製品化した。清水氏を驚かせたのは、クアルコムの新製品とほぼ同じ性能を、同じプロセス、同じ通信速度で実現していたことだ(図)。「2015年以降、中国の半導体メーカーを抜きに、世界の半導体動向を判断することはできなくなった」と、清水氏は言う。

 その後は、クアルコムがSnapdragonの新製品を出せば、ハイシリコンは「Kirin」の新製品を出すという格好で、世界トップレベルの激しいスペック競争を繰り広げている。

図 クアルコムの「Snapdragon805」 vs. ハイシリコンの「Kirin925」
(出所:テカナリエ)
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