今回は、NECパーソナルコンピュータのノートPC「LAVIE Pro Mobile」を取り上げる。メーカーの担当者に特徴を解説してもらったり疑問点に答えてもらったりしながら、この製品が買いかどうかを考えてみよう。

 LAVIE Pro Mobileは、コンシューマー向け製品に強い同社の「LAVIE」シリーズに含みつつ、名前に「Pro」と付けるところからして珍しい。しかもターゲットとするユーザーは「プロシューマー(生産者と消費者を組み合わせた言葉)」だという。

 性能面は十分満足できる。CPUは第8世代のCore iシリーズを採用。ストレージも256Gバイト以上のモデルはPCIeだ。メモリーは8Gバイト、13.3型の液晶はアンチグレアで、フィルムではなくガラスに処理を施している。実勢価格は、Core i7とメモリー8Gバイト、約512GバイトのSSDを搭載した市販向け上位モデルの場合、税別19万2480円となっている。

 モバイルノートが全盛の今、競合他社が軽さやコストパフォーマンスを突き詰める中、NECパーソナルコンピュータはデザインにもこだわっている。このベテラン向けのモデルは、果たして買うに値するのだろうか?

プロシューマー向けのLAVIE Pro Mobile
(撮影:アバンギャルド、以下同じ)
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ディスプレーはアンチグレア液晶。解像度はフルHDだが、これで十分だ
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2in1からクラムシェルに回帰

 同社は「LAVIE Hybrid ZERO」という超軽量の2in1モバイルをラインアップしていた。そのモデルが終了になり、新たにLAVIE Pro Mobileがリリースされたという流れになる。2in1からクラムシェルに回帰した格好だ。

 NECパーソナルコンピュータ 商品企画本部商品企画グループマネージャーの永井健司氏は、「超軽量モバイルにはこだわりがあり、これまでにも最軽量モデルを出すなど技術を培ってきた。2in1からクラムシェルへと舵(かじ)を切ったのは、ユーザー調査の結果からだ。思った以上に2in1として使っている人が少なかった」と説明する。

 PC市場では、2in1がどんどん数を減らしている。僕は、仕事柄さまざまな場所でPCを使っている人をウオッチしているが、タブレットスタイルで利用している人をまず見かけない。Surface Proシリーズであってもだ。

 WindowsをタブレットのOSとして使おうにも、それに向くアプリが少なく、手書き対応アプリもiOSに比べると立ち遅れているのが実情だろう。この点について永井氏は「2in1に可能性を感じていたのは事実。デバイスが充実すればアプリも出そろうと思っていたが、残念ながらそうはならなかった」と話す。

 各社がクラムシェルへ回帰しているのは、同じような背景があるからだろう。当然だが、クラムシェルのほうが軽量化という点でも有利になる。LAVIE Pro Mobileの重量は、カタログ値で837グラム。実測で846グラムだった。

LAVIE Pro Mobileの重量をキッチンスケールで計測してみると846グラムだった
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軽さだけでなく剛性感にもこだわった

 日本では、軽量モバイルが相次いで発売されている。837グラムは非常に軽い部類に入るが、最軽量というわけではない。ライバルと横並びに近い軽さなのだ。

 その上で、NECがこだわったのが剛性感とデザインだ。天板にカーボンを採用することで、ベコベコとした感じはなくなり、手に硬さが伝わってくる。

 キーボード部分はマグネシウムのダイカスト(鋳造)で作成している。これは、アイソレーションキーボードのキー同士の隙間が細いため、成形した後に切削で穴を開けているからだ。

 底面は、マグネシウムリチウム合金をプレス成形している。この形を実現するのは非常に難しく、デザインを提案した段階では、社内から「無理だろう」という声が多く出たという。「そもそもこのモデルは、最初にコンセプトモックを作ることから始めた。NECのPC作りとしては従来と違うプロセスだが、開発と共通の認識を持ちたかった」(永井氏)。

 軽さや剛性を重視し、デザインを二の次にしているPCは少なくない。機能を突き詰めれば「レッツノート」にたどり着く。だが、永井氏は所有欲を満たせるモデルを作り、スーツと腕時計にこだわるような人に訴えかけたかったという。

天板はカーボンでスッキリと美しいラインを描く
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底面はマグネシウムリチウム合金のプレスで成形している
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