その先に見えてくるのが、自律的に動作する多様な機械の市場である。家庭向けの家事ロボット、工場内の協働ロボットや無人搬送車、屋外では無人の宅配自動車や自動で作業ができる建設機械などだ。例えばPFN(Preferred Networks)が2020年代の実用化を目指す家事ロボットは、現状のデモでは無線でつないだGPU搭載のサーバー機でAIの処理を実行している(関連記事)。この処理を電池で動作するロボット内で完結するためには、現在のチップと比べて、消費電力当たりの性能をさらに高める必要がありそうだ。先述のPFNのAIチップは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け「超低消費電力深層学習プロセッサーおよびソフトウェア層の研究開発」との名目で理化学研究所と共同開発してきた成果であり、その知見をエッジ側にも生かす可能性はある(関連資料)。
GAFA参入で激戦必至!AIチップウォーズ
混戦のエッジ向けAIチップはどこが抜け出すのか
今井 拓司=ライター
