「睡眠の質を可視化し、その質が悪い選手の睡眠ルーチンをどう変えたらいいかをアドバイスできるようにしたい」

 ラグビー日本代表など14競技の日本代表チームを含む約300チーム、1万人のアスリートにコンディション管理用のクラウドサービス「ONE TAP SPORTS」を提供するユーフォリアが、アスリートの睡眠に関して先進的な取り組みを進めている。冒頭のコメントは、同社共同代表の橋口 寛氏が、その狙いを語ったものである。

ユーフォリアがアスリート向けに提供する、コンディション管理用のクラウドサービス「ONE TAP SPORTS」の各デバイスでの画面例
(図:ユーフォリア)
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 同社は2018年12月に、睡眠科学の国際的権威で、ベストセラーとなった「スタンフォード式最高の睡眠」の著者である、米スタンフォード大学 睡眠・生体リズム研究所所長の西野精治氏とアドバイザリー契約を締結。西野氏が有する世界先端の知見を基に、ある競技の日本代表チームにおける「睡眠の質」のモニタリングと改善に関する試験的な取り組みを行った。

睡眠時間が短いとケガしやすい

 これまでトップアスリートの世界では、選手が自己申告した睡眠時間や質のデータから、睡眠時間が短かかったり、睡眠の質が悪い選手を指導することはよく行われていた。

 ユーフォリアが提供するONE TAP SPORTSは、選手のコンディションやトレーニング内容などを自らが入力してクラウド上にデータを収集、集計結果やそのグラフをトレーナーや選手自身が確認できるサービスである。どのような項目を入力するかはチームが選べるが、橋口氏によれば300チームのユーザーのうち、半数以上が「睡眠」に関する項目を設定しているという。睡眠については、「睡眠時間」や「睡眠の質」(スライドバー形式など)を選手が自己申告する。

「ONE TAP SPORTS」ではアラートを出す閾値を項目ごとに設定できる。例えば、画面では睡眠時間は「6時間以下」、睡眠の質は「40.0以下(満点が主観評価で100)」に設定している
(図:ユーフォリア)
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 睡眠時間の閾(しきい)値設定はチームごとに異なるが、例えば6時間以下と短い選手に対してアラートメールを出したり、トレーナーが選手のコンディションを確認する画面でその部分を赤くハイライトしたりする。トレーナーやコーチは、それに応じて当該選手の練習メニューや練習の設計を組み直したりしている。

トレーナーなどチームのスタッフは選手の入力データを一覧できる。閾値を下回ったデータは赤くハイライトされる
(図:ユーフォリア)
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 睡眠時間はケガの発生と有意な相関があり、8時間を超えると発生率が減るというデータもある。ちなみに、世界一流のアスリートは“よく寝る”と言われている。サッカー界のスーパースターである、リオネル・メッシ選手やクリスティアーノ・ロナウド選手は、1日に昼寝を含めて10~12時間睡眠を取っているそうだ。逆に、睡眠時間が短い選手はケガをするリスクが高いため、アラートを出して観察する必要がある。

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