樹脂製の可動式ケーブル保護管や歯車、軸受、ベアリングなどの製造を得意とする機械部品メーカーの独イグス(igus)。ドイツ西部に位置するケルン市の本社敷地内には、工場や研究開発施設も併設されている。

独イグス本社を入り口付近から見る。ドイツ西部に位置するケルン市にある。敷地内には、工場や研究開発施設も併設されている。(出所:日経 xTECH)
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 これら施設の特徴は「自由」かつ「開放的」で「拡張性」が高い点にある。そんな施設を象徴するのが建屋の構造だ。鉄塔が主構造となって屋根と壁を吊っている。そのため建屋内の柱と壁を最小限に抑えられ、見通しが良く、従業員の移動も、材料や製品の運搬もしやすい。

鉄塔が屋根と壁を吊り、柱を最小限に抑えてレイアウトの自由度を高める

 建屋はモジュール化しており、1辺は67.5mの正方形。主構造の鉄塔はその中央に設けた中庭に立つ。建屋の屋根と壁の荷重をほとんど鉄塔が負担する構造と合わせて、簡易な施工システムを採用しているので、建屋の増設も容易だ。稼働を開始した1994年以降、既に6回にわたって増設しており、2019年4月時点で工場部分の延べ面積は約12万7800m2に及んでいる。2020年には隣接地に新棟を増設予定だ。

イグス本社の屋上。鉄塔で屋根を吊る構造を採用。楕円形の開口部を開閉して換気し、夏季には40度以上に上る工場内の室温を調整する。(出所:日経 xTECH)
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独イグス本社の屋上。(出所:日経 xTECH)
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主構造の鉄塔。主構造となる鉄塔を中心に19m四方の中庭を設けて、従業員の休憩所としている。鉄塔の黄色はイグスのコーポレートカラーだ。(出所:日経 xTECH)
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 最も大きなメリットは、建屋内のレイアウト変更が容易な点だ。壁と柱がほとんどないので、製品数や生産量の増減に合わせて、生産エリアや生産ラインを変更できる。国内外の経済状況や技術の進歩にスムーズに追随し、顧客のニーズや自社の経営方針に合わせて工場を運営できるのが、この工場の最大の特徴だ。

工場内の通路。
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工場内部の様子。建屋内の柱は最小限に抑えているので生産ラインの構成をシンプルにできて見通しがよく、移動・運搬がしやすい。建屋は広大なので、移動には立ったまま運転できる自社製の「スクーター」を利用している。(出所:日経 xTECH)
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工場内で用いているスクーター。約400台を準備しているという。(出所:日経 xTECH)
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