任天堂は、新しいゲーム機「Nintendo Switch Lite」を2019年9月20日に発売すると発表した(発表資料)。希望小売価格は1万9980円(税別)。2017年3月3日に発売した「Nintendo Switch」から機能を省いて小型・軽量にし、価格を抑えた廉価版である。通常版のSwitchに比べて1万円安い。Switchの廉価版の存在はネットの噂サイトなどでもしばしば話題になっており、登場が期待されてきた製品だ。実際、Lite発表翌日の同社の株価は、2019年7月11日午前11時時点で4万1430円と前日終値より3%超、上昇するなど、市場は好感で迎えている。ただしその仕様には疑問も残る。

「Nintendo Switch Lite」(画像:任天堂)
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 発売から約2年半後に廉価版を出して普及を加速させる――Liteの投入はゲームプラットフォームでは一般的な戦略に沿っている。その一方でLiteは、低価格や小型・軽量化と引き換えにこれまでSwitchが目玉としてうたってきた機能をほとんど省いた。「Nintendo 3DS」から3D表示機能を省いた「2DS」のようである。外観もSwitchで着脱式だったゲームコントローラー「Joy-Con(ジョイコン)」をディスプレーの両側に固定したような形状になり特徴が薄れた。

目玉機能が全部省かれたLite

 Switch登場時に任天堂は、3つの形態でゲームをプレーできる機能を強くアピールしていた。左右2つのJoy-Conを本体に取り付けてプレーする「携帯モード」、本体のディスプレー部を机などに置き、Joy-Conでプレーする「テーブルモード」、本体を「Nintendo Switchドック」に格納し、HDMIで接続した大画面テレビに画面を表示、取り外したJoy-Conで遊ぶ「TVモード」の3つである。

Switchの各モード。「TVモード」(上)、「テーブルモード」(右下)、「携帯モード」(左下)(撮影:日経 xTECH)
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 Liteはこのうちの携帯モードに特化し、残りの2モードには対応しない。Switch対応ソフトのうち、携帯モードを持つソフトだけが遊べる。また、Joy-Conが備える触覚フィードバック機能「HD振動」や、グー・チョキ・パーといった手の形状や動き、距離などを計測できる「モーションIRカメラ」を省いている。そのためこれらの機能(HD振動やモーションIRカメラ、Joy-Con内蔵のモーションセンサー)を利用するゲームはLite単体では遊び方に制限が出る

* Joy-Conと「Joy-Con充電グリップ」を別途購入して接続すれば、制限を回避できるケースもある。

 本体のディスプレーは6.2型から5.5型へとサイズダウンしたものの画素数は同じ。底面には充電用のUSB Type-C端子も装備するが、本体サイズが異なる為に通常版Switch用のドッグには差せず、HDMIを経由した外部ディスプレーへの映像出力機能も省かれている。

ゲーム事業拡大に大きく貢献しそう

 任天堂製などSwitchプラットフォームでしか遊べないゲームを遊べる点を除くと、ゲーマーの視点からは何の変哲もない携帯型ゲーム機にも見える「Nintendo Switch Lite」。だが、経営の視点からは、任天堂のゲーム事業拡大に大きく貢献する救世主になりそうだ。

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