ここ数年、世界で日本製のゲームが再評価され、大きな人気を得ているのをご存じだろうか。クールジャパンの国だから日本のゲーム会社が世界で活躍するのは当たり前じゃないの?と感じる人が多いかもしれない。しかし家庭用ゲーム機の市場で、日本のゲームが世界を席巻していたのは「PlayStation 2(PS2)」の時代までの話。それ以降は日本製ゲームは世界市場で低調な時代が続いていた。その流れがようやく断ち切られ「ジャパニーズゲーム」が復権しつつあるのだ。

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(イラスト:闇雲)
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日本製ゲームで初めて「4冠」を達成した「ゼルダ」

 例えば「GOTY」。「Game of the Year」の略で「その年で最も優れたゲーム」を意味する賞である。世界中の様々なゲーム関係メディアや団体がそれぞれの基準でGOTYを選定した結果を発表し、様々なゲームが賞の栄誉に輝く。一説には300近いGOTYがあり、より多くのGOTYを獲得したゲームは最多GOTYと称賛される。

「ゼルダの伝説 ブレス オブ ワイルド」は2017年のGolden Joystick Awards(GJA)を受賞した
GJAはゲーム業界で権威のある4大GOTYの1つ。公式サイトであるGamesRadar+の記事。
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(出所:The Legend of Zelda: Breath of the Wild scores big at the 35th Golden Joystick Awards presented with OMEN by HP | GamesRadar+ https://www.gamesradar.com/the-legend-of-zelda-breath-of-the-wild-scores-big-at-the-35th-golden-joystick-awards-presented-with-omen-by-hp/)

 そんなGOTYで2018年に快挙があった。任天堂の「ゼルダの伝説 ブレス オブ ワイルド」が、2017年の世界四大GOTYの全てを獲得、トータル189個のGOTYを獲得して最多GOTYに輝いたのだ。特に、多くのGOTYの中でも歴史や権威があるとされる4つのGOTYがすべて「ゼルダ」を支持したのは大きい。ゴルフやテニスで言うところのグランドスラム、映画で言うならアカデミー賞とカンヌ、ヴェネチア、ベルリンの3大映画祭で最優秀作品賞を取るようなもの。日本製のゲームが4冠を獲得するのは初で、とんでもない快挙といえる。

4大GOTY:世界最大のGOTYと言われる英国の「Golden Joystick Awards(GJA)」、米インテラクティブ芸術科学アカデミー(AIAS=Academy of Interactive Arts & Sciences)が主催する「D.I.C.E. Awards(DICE)」、米国のゲーム業界イベント「Game Developers Conference(GDC)」で選ばれる「Game Developers Choice Awards(GDC)」、カナダのゲームジャーナリスト、ジェフ・ケイリー氏が主催・制作する「The Game Awards(TGA)」の4つ。
カプコンはメタクリティックが選ぶ2018年ベストゲームパブリッシャーに選ばれた
メタクリティックは映画や音楽、ゲームなどのレビューを集めて「偏りがない総合的な評価」を提供するメタレビューサイト。画像は発表の当該ページ。
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(出所:2019 Game Publisher Rankings - Metacritic https://www.metacritic.com/feature/game-publisher-rankings-for-2018-releases)

 映画や音楽、ゲームのレビューを世界中から集めるサイト「メタクリティック(https://www.metacritic.com/)」は2019年2月、2018年に最も評価されたゲームパブリッシャーとして日本のゲーム会社「カプコン」を選んだ。その代表作がアクションゲーム「モンスターハンターワールド」だ。メタクリティックは様々なゲームサイトからゲームレビューを横断的に集め、メタスコアと呼ぶ独自の指標で得点化して「偏りがない総合的な評価」を確認できる人気のサイトだ。モンスターハンターは全世界で1200万本も売れた。

累計出荷350万本を超えた「ニーア オートマタ」
2018年12月4日に同ソフトの公式ツイッターアカウントが出荷350万本を自ら祝った画像
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(出所:NieR公式PRアカウント https://twitter.com/NieR_JPN/status/1070141713648300034)

 それ以外にも日本よりも海外で圧倒的に売れ、シリーズ累計1300万本に達した「ダークソウル」(フロム・ソフトウェア)や、2018年末に累計出荷350万本を超えた「ニーアオートマタ」(スクウェア・エニックス)など、世界市場で結果を出した日本のゲームが増えている。

Xboxシリーズのヒットで「高性能アクション」が世界の主流に

マイクロソフト「Xbox 360」
全世界で9000万台近く売れ、日本以外の地域では事実上の標準機となった
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 国内メーカーのゲームがPS2以降、世界で力を失ったのには理由がある。PS2とほぼ並行する形で発売されたマイクロソフトの「Xbox」の存在である。Xboxシリーズは文化的背景の違いから日本では振るわなかったが、特にXboxの後継機「Xbox 360」は全世界で9000万台近く売れ、日本以外の地域では事実上の標準機となった。

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