謝る相手の確認も必要

 謝るに徹するときは、謝る相手の確認も忘れずに行いたい。例えば、システム開発会社のITエンジニアが、ユーザー企業のシステム担当者に謝って許してもらったとしても安心はできない。「トラブルの影響がユーザー企業のシステム利用部門にも影響しているなら、利用部門の責任者に対しても謝る必要がある」(E社長)からだ。

 トラブルの原因がプログラム上の小さなバグだとしても、自分の上司に報告して影響度合いを判断してもらえばよい。システムの開発や運用にかかわる関係者は多いので、気をつけておこう。

謝る相手の確認が甘い例
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 ERPパッケージの導入プロジェクトを手がけるコンサルタントのFさんは「ユーザー企業のシステム担当者に謝る際に、ほかに謝る相手がいないかどうかを確かめるのも1つの手だ」とアドバイスする。謝る相手の確認のためにも「普段からシステム担当者とは、綿密にコミュニケーションを取れる関係を築いておくことが重要だ」(Fさん)。

メールで謝る際は細心の注意を払う

 ITエンジニアが謝る場合、ユーザーと会ったり、電話で話したりするだけではない。メールで受け付けたユーザーの不満に、メールで謝る機会も少なくない。ただし、メールで謝る場合には細心の注意を払う必要がある。

 分析/設計ツールなどのソフトウエア製品のサポート業務を担当してきたGさんは「一般に、お詫びとして書いたメールの文章が、ユーザーの感情を逆なでする内容になっていることが少なくない」と話す。

 Gさんが指摘する、ユーザーの感情を逆なでするメールの特徴には「原因を推測で断定して曖昧な作業依頼をする」「ユーザーの不快感が表れている質問文に反論する」「ユーザーに責任を転嫁する」といったものがある。「ユーザーに反論して議論に勝っても何の得もない。ユーザーの感情を害さないように表現するよう心がけるべきだ」(Gさん)。

メールで謝る場合は相手の感情を逆なでしやすい
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