CASE時代が到来し、エレクトロニクス出身のメーカーにとっては車載領域における参入機会が増えた。一方で、収益性を伴った成長を念頭に置くと、安定市場とみられる車載領域においても一筋縄ではいかないことも周知されてきている。CASEというトレンドを前提とした際に、エレクトロニクスのうちのどの領域に特に参入機会があり、高収益化が望みやすいのか。また、新たに車載領域に参入する上で考慮しなければならないポイントはどこにあるのか。第12回となる本稿では、こうした点を考察する。

自動車コストの4割を占める電子部品

 車両コストに占める電子部品の比率は10年間で2倍程度まで拡大し、2015年時点では40%程度の比率にまで拡大している。しかし、車載エレクトロニクスの領域は、従来のエレクトロニクスメーカーだけではなく、既存のサプライヤーにとっても競争上の焦点である。自動車業界のティア1サプライヤーの中では、エレクトロニクスを柔軟に取り込んだプレーヤーがシステム領域の事業の裾野を広げ、メガティア1としての立ち位置を築きつつある(図1)。

図1 ティア1サプライヤーのポジショニンング
(出所:ADL)
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 一方、エレクトロニクス出身のメーカーは、こうしたエレクトロニクス特化型プレーヤーとは違ったアプローチで車載領域に参入している状況だ。既存のティア1サプライヤーは、他の機械系の制御を行う電子制御ユニットが主戦場である。これに対して、そこに搭載される電子部品のコンポーネントや、カー・ナビゲーション・システムなどの情報機器の領域が、エレクトロニクス出身のメーカーにとっての主戦場である。そこから既存のティア1サプライヤーの領域である制御ユニット部分の付加価値を得ようとしている(図2)。

図2 車載エレクトロニクスの中でのすみ分け
(出所:ADL)
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 この構図はすみ分けられたまま長年、膠着状態となっている。付加価値が高いのは依然として既存のティア1サプライヤーの牙城である制御ユニットの領域であったが、CASEのトレンドがその付加価値構造に変化をもたらし始めている。

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