CASE時代における事業成長に向けた取り組みの1つである新規事業の展開は、多種の部品を手掛けるメガサプライヤーと、コア技術に立脚して事業展開を行う中堅サプライヤーとではその位置付けが異なる。前回は、中堅サプライヤーの新規事業探索のアプローチと、その取り組みの指針を示した。

 今回はメガサプライヤーを対象にその置かれた状況や、メガサプライヤーならではの新規事業創出の難しさに触れる。その上で、あるべき取り組みの方向性を中堅サプライヤーや完成車メーカー(OEM)にも応用可能な部分を織り交ぜつつ論じる。

 メガサプライヤーは豊富な技術・事業基盤を有し、多種の製品を手掛けている。CASE時代において悪影響を受ける事業はあるが、変曲点を捉えてさらなる成長を作る素地も大きい。

 一方、既存プレーヤーからの圧力や新規プレーヤーからの圧力を受け、競争環境は日に日に厳しさを増している。自社らしい立ち位置を形成するには、既存事業の強化に加えて、新たな事業の創出が必要になる(図1)。

図1 メガサプライヤーの置かれた事業環境
(出所:各種公開情報からADL作成)
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メガサプライヤーを取り巻く競争環境の激化

 ここで取り扱う「新たな事業の創出」は、第6回で取り上げたシステム化・ソリューション化の概念も含むが、参入済みの市場や顧客向けの事業だけではなく、より広義に非自動車業界も含めたものを対象とする。

 新規事業の示す範囲は広い。どの程度の飛躍感を持った事業創出を目指すかの合意形成も重要になるが、これは本稿における主論ではない。今回は新規事業を、「広義で既存事業から技術や市場の面で離れた事業を創出すること」と定義する(図2)。

図2 新規事業の領域定義
(出所:ADL作成)
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