およそ3年の月日を費やしてIoT機能を窓に組み込んだ製品「ミモット」を生み出したYKK APは、この経験を生かせる次の展開を模索中だ。製品開発において当初、苦労していたITベンダーとのやり取りにも慣れ、同社内のスタッフも力を付けてきた。今後の狙いを聞いた。

電動建材の集中制御が必要に

 「たまたま今回は“戸締まり”の機能として製品化した。背景には、玄関の電気錠といった電動化の急速な普及がある」。YKK APの開発本部住宅商品企画部長の中谷卓也氏は、昨今の製品動向についてこのように説明を始めた。今後の取り組みを考えるうえで、重要なポイントとなるからだ。

 同社の場合、電気錠の玄関ドア製品が、直近の出荷数でドア製品全体の6割を超えている。自動車の鍵のようにリモコンで操作して施解錠できる製品だ。採用率はまだ1割超に過ぎないが、住宅用の電動シャッターの普及も見逃せない。開口部製品の電動化が進んでいる。

YKK APの場合、電気錠の玄関ドア製品は、直近の出荷数でドア製品の全体の6割を超えている(写真:日経 xTECH)
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 これらの開口部製品は、それぞれが独立し、連携していない。ここに次の展開のポイントがあると中谷氏は言う。「“戸締まり”という1つの機能を提供すると、当然、玄関やシャッターの状態も知りたいという要望が出てくる。これらの製品をまとめて制御する機能の開発に取り組む必要があると開発当初から考えていた」

 つまり、これからの電動化された建材・設備は、居住者による集中制御が求められると予測しているのだ。そのためには、まずは開口部製品などの集中制御を可能にする仕組みの確立が重要とYKK APは考えた。

 同社の場合、この仕組みを単独でも機能できるように作り込む方針だ。加えて、将来に備えて他社が提供する機能やサービスとの連携を視野に入れた。例えば、住宅内の様々なIoT建材・設備を制御するシステムとの連携だ。

 住宅会社が、住宅内のIoT建材・設備を制御するシステムで個別の仕様を採用した場合、「A社のシステムでは対応可能だがB社のシステムでは対応できない」という状況が生じる恐れがある。これを回避するために、開口部関連の制御ではYKK APがシステムを構築。そのシステムにAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を用意して、他の制御システムと連携できるようにする。

 この方法であれば、互いのシステムを連携する際にある程度の調整作業が要るものの、柔軟な運用ができる。「最初は開口部の制御機能だけを採用し、将来、他の建材・設備とも連携できるシステムを付け加える」といった具合だ。

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