小田急電鉄は2018年からグループのバス会社と共に、鉄道沿線における自動運転バスの走行実験に注力している。自動運転バスをMaaS(モビリティー・アズ・ア・サービス)のキラーコンテンツに位置付けているからだ。

神奈川県藤沢市の江の島を背後に走る小田急電鉄グループの自動運転バス(2018年9月)
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 人がハンドル操作をしない自動運転バスの実験は2017年ごろから全国各地で実施されており、今では珍しくなくなった。政府は公道での実証実験の規制を段階的に緩和している。現在は運転手を同乗させて状況を監視する条件を満たす実験なら、場所や時間によらず実施できることになっている。ただし、現実には警察署や国土交通省、道路管理者といった関係者との事前調整が必要だ。

 政府は自動運転の商用化を促すため、2019年3月8日に道路交通法と道路運送車両法の改正案を閣議決定し、国会に提出した。自動運転に必要な「自動運行装置」を国交省の保安基準の対象装置に加える。国交省が基準に適合すると認定すれば、比較的自由に公道を自動運転車が走れるようになる。

 このように国を挙げて自動運転を推進する機運が高まる中、小田急電鉄は自動運転バスの実用化に非常に積極的だ。直近の1年間だけでも、小田急沿線の3カ所で自動運転バスの実験をしている。2018年6月に神奈川県藤沢市の慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の構内、約0.5キロメートルで実施。同年9月には同じ藤沢市の観光地である江の島周辺の公道、約1キロメートルでも実施した。

住宅街の生活道路に自動運転バスを走らせる

 そして2019年2月13日から22日にかけて、東京都多摩市の多摩ニュータウンで実施した実験は大がかりなものだった。同市の豊ヶ丘四丁目バス停から「スーパーサントク貝取店」までの公道、約1.4キロメートルで自動運転バスを走らせた。

東京都多摩市の多摩ニュータウンを走る自動運転バス(2019年2月)
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 日中30分に1本、自動運転バスを運行。報道陣や関係者だけでなく、地元住民を含めて約700人が試乗した。

起点の豊ヶ丘四丁目バス停。毎時0分と30分が発車時刻
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 2018年に実施した藤沢市2カ所での実験と同じく、小型バス「日野ポンチョ」の自動運転用改造車を使い、自動運転ベンチャーである先進モビリティの運転制御技術と、ソフトバンクグループのSBドライブが持つ運行管理技術を採用した。運転席には念のため、小田急グループ傘下の神奈川中央交通(神奈中)のバス運転手が座った。

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