AIやIoTを活用する企業が急増するなか、デジタル化を担う人材は貴重な戦力。3000人調査から「デジタルの仕事」の実態に迫る。今回は年収に焦点を当てる。

 人材不足の状況が続くIT業界。特にAI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)などを手掛けるデジタル人材はITベンダー、ユーザー企業を問わず引っ張りだこだ。

 こうした状況がデジタル人材の年収にどう影響しているのか。3000人調査の結果を見ていこう。

年収のピークは50代で838万円

 「現在(2018年の実績)の年収」を尋ねたところ、回答者の平均は734万円だった。調査では「300万円以上400万円未満」など100万円の刻み幅(1000万円以上は200万円以上の刻み幅)の選択肢で答えてもらった。

年齢層別に見た現在の年収
2018年の実績を尋ねた
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 調査結果を年齢層別で見てみよう。20代の平均年収は444万円。30代の平均年収は637万円で、20代に比べ200万円近く増える。

 40代の平均年収は752万円と、30代よりも100万円以上増える。50代になると平均838万円に達する。年齢層別に見ると、ここがピークだ。60歳以上は嘱託社員など定年を迎えた人が多くなり、平均年収は611万円と30代よりも低くなる。

年齢層別に見た年収の分布
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 年齢層別に年収の分布を見ると、年齢が高まるにつれて回答者ごとの年収のばらつきが大きくなると分かる。20代では8割が「300万~600万円」である。内訳は「300万円以上400万円未満」が31.8%、「400万円以上500万円未満」が30.2%、「500万円以上600万円未満」が17.1%だ。

 30代になると8割が属する年収帯は「400万~900万円」に広がる。最も多いのは「500万円以上600万円未満」(23.0%)、2番目に多いのは「600万円以上700万円未満」(19.3%)である。

 40代は8割が属する年収帯は「400万~1100万円」、50代では「500万~1200万円」に広がる。40代では「700万円以上800万円未満」(16.5%)、50代では「800万円以上900万円未満」(15.3%)が最も多かった。

 50代の平均年収が最も高い背景には、日本企業の給与制度に年功序列が残っていることもありそうだ。回答者に「勤務先(雇用元)の給与制度は年功序列に基づいているか」と質問したところ、最も多かったのは「一部基づいている」で過半数の52.3%だった。

 2番目に多かったのは「基づいていない」(26.1%)、3番目に多かったのは「基づいている」(16.4%)である。「基づいている」と「一部基づいている」を合わせて、7割弱が給与体系に年功序列の要素があると答えた。

 自由意見では20代、30代の回答者から年功序列を批判する声が出ていた。「50代前後のまともに働かない社員に高給を支給する制度をやめて、働いている若手にお金を与える制度に変えるべきだ」(20代、通信機器製造)、「年功序列を否定するわけではない。それでも当社の業務の状況と給与を他社と比較したときに、やる気を失うことが多い」(30代、コンピューター製造)などである。

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