AIやIoTを活用する企業が急増するなか、デジタル化を担う人材は貴重な戦力。どのような仕事をしているのか?年収は?3000人調査から「デジタルの仕事」の実態に迫る。

 「AI(人工知能)やIoT(インターネット・オブ・シングズ)により、今後も企業のIT投資は活発な状態が続くだろう。一方、最新技術についていけなくなり、最善の提案ができなくなることに不安を感じている」。ソフトハウスで働く40代の担当者から寄せられた意見である。

 続けて、こんな不安を打ち明ける。「自分はSIの会社で働いているが、この先どうなるのだろうか。自分がシニア世代となる頃、SIerに仕事を発注する顧客企業はどれほどあるのだろう。Webサービスやクラウドサービスに、ほとんどの顧客を奪われているような気がする」。

 ITの仕事は急速に変わりつつある。AIやIoTをはじめとするデジタル技術の活用が本格化しているからだ。

 デジタル化を担う「デジタル人材」の活動範囲は、企業情報システムを中心とする従来のITの枠を越えて広がってきた。ITスキルだけでなく、業務知識や対話術など多種多様な能力が求められる。

 デジタルの仕事の重要性は増す一方、不安を抱く担当者も少なくない。冒頭に紹介した意見だけでなく、こんな本音も寄せられた。

 「AIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の草創期だから、エンジニアに対する需要はまだ高い。だが技術革新のスピードが早すぎるので、5年後、10年後は見えない」(30代、システムインテグレーター)。

 もちろんネガティブな意見ばかりではない。「AIがどの企業でも当たり前に活用される時代が来る。AIエンジニアへの転身にチャレンジしたい」(30代、システムインテグレーター)。「デジタルの仕事に自分の力が役に立つならば、100歳になっても社会貢献したい」(40代、金融業)。こんな前向きな意見も多く集まった。

 デジタルの仕事を進める担当者の間には、不安と期待が入り混じる。いずれにせよ、デジタル化の波には逆らえない。

 AI、IoT、ビッグデータ…。これらの利活用を推進するデジタル化人材は、会社にとって貴重な戦力である。とはいえ、「デジタルの仕事」は分かりにくく、問題点や課題の解決策を明確にすることが難しい。まずは「デジタルの仕事」の実態を把握する必要がありそうだ。

 そこで日経 xTECHは、3000人徹底調査で「デジタルの仕事」の実態を探った(調査概要は末尾)。デジタルの仕事とは一体、どのようなものか。労働時間や年収、キャリア、副業への関わり、将来展望などを明らかにする。

 まずはデジタル人材が携わる業務から見てみよう。

システム開発・運用と企画が5割強を占める

 「現在、担当している仕事の内容を教えてほしい」と質問したところ、多岐にわたる内容が挙がった(複数回答)。デジタル人材が携わる業務の広さがうかがえる。

担当する業務(複数回答)。カッコ内は最も時間を割いている主業務(ひとつだけ)
[画像のクリックで拡大表示]

 中でも多かったのは「ITシステムの開発・運用」(54.2%)と「ITシステムの企画」(31.8%)だ。「セキュリティー関連」(18.0%)、「ハードウエア/組み込みソフトウエア関連」(14.2%)、「IoT関連」(11.7%)が続く。「AI関連」は7.8%だった。「その他のIT/デジタル分野」(9.2%)としては、システムの品質管理やデジタルに関わるサポート、家庭用ゲーム機ソフトの開発などが挙がった。

 調査では「最も時間を割いている」主業務も尋ねた。1位は「ITシステムの開発・運用」(42.6%)で、2位以下を30ポイント近く引き離した。「セキュリティー関連」は4.2%にとどまり、セキュリティーを主業務として担当するデジタル人材の割合は小さいことが分かる。

この先は有料会員の登録が必要です。今なら有料会員(月額プラン)が12月末まで無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら