超小型電気自動車(EV)の復活に向けてトヨタ自動車とホンダが動き出した――。2010年ごろから自動車メーカー各社が続々と発表してきた超小型EVだが、日本では普及のめどが立たずにいる。メーカー首脳が「政府や業界団体の後押しが必要」と口をそろえる一方で、コストが高かったり、充電に時間がかかったりと車両側にも欠点が残る。解決への糸口として各社が開発を進めるのは、電池パックを「交換式」にする技術だ。

 「(トヨタ内では既に)電池シェアの議論を始めている」。トヨタの技術責任者はこう明かす。同社が狙うのは、駆動用の電池パックの寸法を規格化して取り換えやすくすることだ。

 例えば、超小型EVの電池として5~7年使った後に、建設機械や家庭用の蓄電システムに転用して8~10年稼働させる。つまり、合計15年ほど同じ電池を使い回す。コストの負担を各用途で分散させて、超小型EV自体のコストを抑える狙いだ(図1)。複数の用途で同一の電池を交換して使うことはせず、用途ごとに時期を見て載せ換えることを同社は「電池シェア」と呼ぶ。

図1 トヨタ自動車が披露した電池シェアの構想(出所:トヨタ自動車、撮影:日経 xTECH)
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 交換して使う専用の電池パックは「(1個当たりの電池容量を)10~15kWhほど」(前述の技術責任者)で検討中だ。寸法も構想段階にあるが、2人乗りの超小型EVコンセプト「TOYOTA Concept-愛i RIDE」に1個搭載できる大きさが有力である(図2、3)。質量は1個当たり100kg近くになりそうなことから、人力ではなく専用設備を使っての自動交換になるとの見方が強い。

図2 トヨタの2人乗りの超小型EVコンセプト「TOYOTA Concept-愛i RIDE」、斜め前から(撮影:編集部)
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図3 同車両、斜め後ろから(撮影:編集部)
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