世界各地に続々と登場する電池「交換式」モビリティー。短いものなら10秒未満で電池を交換できて、航続距離が“無限”になったかのように連続して走れる。電気自動車(EV)を含む電動モビリティーの欠点を補うこの仕組みは実は、車両メーカーが新たな収益の柱を得るための試金石という側面がある。先陣を切ったベンチャー企業を追って、ホンダやヤマハ発動機などの大手メーカーが進出を果たし、本格的な競争のフェーズに突入した。

図1 電池「交換式」モビリティーが続々(撮影:日経 xTECH)
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 「便利すぎてガソリンスクーターには戻れない」――。台湾で日経 xTECHの取材に応じた20代の男性は、現地ベンチャー・ゴゴロ(Gogoro)が手掛ける電池交換式の小型EVスクーターの利便性に執心している。

 Gogoroは電池交換のビジネスモデルを確立した先駆者だ。駆動用の電池を街中の交換ステーションで充電済みのものと入れ替える仕組みで、大量の電池を利用者でシェアして使うのが特徴である。これまでも着脱式の電池を備えるEVは存在していたが、十分な数の交換ステーションを用意できず衰退した。

 前出の男性が「便利すぎる」と表現したのは、交換ステーションがどこにでもあるからだ。台湾の排ガス問題を重く見た政府の強力な後押しを得て、Gogoroは交換ステーションの数をみるみる拡大させた。2019年2月の時点で1000カ所を突破している。車両価格は補助金を織り込んでもガソリンスクーターの約1.2倍と割高だが、顧客は利便性の高さでGogoroを選ぶ。

 電池を交換式にして利用者が得られる利点は大きく3つ。(1)車両の非稼働時間を短縮して連続で使いやすいこと、(2)技術の進歩に合わせて電池を改良して載せ替えやすいこと、(3)1個の電池を多用途に使い回せるため、車両の価格を下げやすいこと――である(図2)。

図2 電池交換式モビリティーにおける3つの利点と車格ごとの相性(日経 xTECHが作成)
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