2018年11月に銀行業への参入を表明したLINE。月間利用者7800万人を抱える強みをどう生かし、2020年の開業を目指すのか。金融業界に与える本当のインパクトとは。その深層を、日経FinTech2018年12月号の特集から読み解こう。

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 LINE新銀行の登場は、国内でも数少ないスマホ特化型の銀行として金融業界に新風を吹き込む。しかし、LINEが目指すのは銀行単体の再設計にとどまらない。照準を合わせるのは、全方位的な金融サービスだ。

金融分野で次々と新サービス

 LINEの金融事業参入は、ちょうど4年前に遡る。2014年12月、オンライン決済や個人間送金ができるLINE Payを開始した。「LINE上でお金を送れると便利だよね、というのが出発点」と出澤氏は振り返る。

 その後、オフライン店舗決済への対応などLINE Payのサービス拡充を続けてきたが、決済領域以外で大きな動きは見せてこなかった。一気にギアを入れ替えたのが2018年。以後、次々と新しいサービスを送り出している。

 6月に野村ホールディングスと共同出資で運営する予定のLINE証券設立に向けた準備会社を発足。続く7月には、海外で仮想通貨交換所「BITBOX」を開設した。10月には損害保険ジャパン日本興亜と組んで「LINEほけん」を、スタートアップ企業FOLIOとは「LINEスマート投資」をそれぞれスタート。翌11月には、PFM(個人資産管理)サービス「LINE家計簿」の提供も始めた。

 証券や保険といった伝統的な金融分野から、仮想通貨やPFMというFinTechの波と共に浮上してきた領域まで──。既に幅広いラインアップを整えている。

●LINEのサービスラインアップ
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 2018年5月に設立したLINE Creditも、LINEが描く金融構想で重要な鍵を握る存在だ。利用者の基本的な属性情報や既存の信用情報機関の情報と、LINEの各種サービスから導出する行動傾向情報を掛け合わせて分析し、独自の信用スコアである「LINEスコア」を構築する。「LINEの様々なサービスに適用させる」と、出澤氏は説明する。

 第1弾として、2019年上半期に個人向けローン「LINEポケットマネー」を開始する予定だ。「申し込み」「借り入れ」「返済」という一連の流れをスマホアプリで完結できるようにする。LINEスコアを、可否審査や貸出条件の調整に活用するとみられる。同サービスは、LINE新銀行に受け継がれるかもしれない。

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