米国主導で巻き起こる「華為技術(ファーウェイ)包囲網」。日本では、政府が各省庁などのIT調達における手続きをサイバーセキュリティーの観点から厳格化する方針を決め、米国が取引を禁じる中国製の通信機器は実質、排除される見通しと報じられる。

 だが、各省庁に助言する立場にある内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)や通信分野を所管する総務省は「特定の国やメーカーを名指ししたことはこれまで一切ない」と言明しており、一般の消費者や企業は困惑するばかりだ。

 以下では、日経 xTECHが2019年1月に実施した緊急アンケートで寄せられた意見を紹介したい。「中国製は実質、排除」と報じられる政府方針への賛否を聞いた結果は「賛成」が52.4%に対し、「反対」が9.3%。賛成が過半数を占めたが、受け止め方は、実に多岐にわたる。

「中国製通信機器は実質、排除」と報じられる政府方針をどう受け止めていますか?
調査はWebサイトによるアンケート形式で実施し、2381件の有効回答を得た。調査期間は2019年1月21~25日
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賛成派の中にも温度差

 賛成派の意見で最も多かったのは、中国に対する危機感である。背景には、中国の国民と組織は国の情報活動に協力し、知り得た国家情報活動についての秘密を守らなければならないと定めた「国家情報法」がある。過去には中国企業の製品で問題が発覚したこともある。「全面禁止にしてほしい」とする強硬派も散見された。

中国政府の統制下に入らざるを得ない中国企業であるなら、日本政府が安全保障上それを排除するのは当然のことであり、傍観は許されない。ファーウェイは中国政府の影響を明確に否定しているが、中国の企業である限り信用できない。(60歳以上、男性)
一党独裁による民間会社への影響力を過小評価してはならない。約束事が瞬時にしてほごにされるリスクがある。特に科学技術であり、これが軍事技術に直結するという事実に日本の政治家、経営者、国民はもっと強く関心を持つべきだ。(60歳以上、男性)
以前には中国企業製IMEが入力内容を中国のサーバーに送ったり、中国メーカー製パソコンにオレオレ証明書(自己署名の証明書)が仕込まれていたりと、中国製の情報機器はセキュリティー上、危険この上ない。全面的に賛成する。(40~49歳、男性)
むしろまだまだ甘いと感じている。中国は法律で国民や企業が中国共産党の方針に従う義務を負わされており、たとえ本人に悪意はなくとも、簡単に情報流出してしまう状況にある。いくら中国製スマホが安く性能面で優秀であろうとも受け入れられない。日本国の方針として全面禁止にしてほしい。(40~49歳、男性)

 賛成派には「リスクの懸念がある以上、やむを得ない」という意見も少なくなかった。問題が起こってからでは遅く、安全サイドで判断すべきだというものだ。さらには「問題のない製品は使うべきだ」「少し厳しく考え過ぎ」という声まであり、同じ賛成でも温度差が見られた。

リスクの懸念がある以上、やむを得ない判断。高度技術の塊である情報通信機器の中身を100%検証することは難しい。一度検証しても、アップデートで中身をソフト的に書き換えられてしまう。(60歳以上、男性)
中国製が実際に危険かどうかは問題でない。危険な可能性があれば用心に越したことはない。被害の少ない方に転ぶようにしておくべきだ。(40~49歳、男性)
現在の中国製品が安全だとしても、将来的には中国政府の横やりでハッキングツールが仕込まれる可能性がある。ここで警告しておく意味がある。(50~59歳、男性)
国民を守る義務から鑑みれば当然の措置。ただ、妥当な安全性のしゅん別を行った上で問題のない製品は利用すべきだ。またハードよりはソフト面のリスクを重視し、中国のみならず国民に不利益を与え得るシステムやサービスの監視強化を望む。(50~59歳、男性)
少し厳しく考え過ぎ。政府の技術調査で本当に不備が確認されたのであれば、そもそも輸入そのものを禁止すべきだ。疑惑の段階で規制するのは行き過ぎな対応な気がする。政府関係のシステムで実装しないのであれば、その都度調達案件で制限すればよく、ここまで大々的に実施する必要はない。(30~39歳、男性)

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